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映画『世界の終わりのいずこねこ』竹内道宏監督、ロングインタビュー<前編>

2015年1月13日

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映画『世界の終わりのいずこねこ』竹内道宏監督、ロングインタビュー<前編>

2015年3月の本公開が近づいてきた『世界の終わりのいずこねこ』の竹内道宏監督に、ロングインタビューをしてきました!

竹内道宏監督は、神聖かまってちゃんなどのライブ映像を撮影し、YouTubeにアップロードすることでプロモーションの一旦を担う活動をしています。

また、フェイクドキュメンタリー映画『新しい戦争を始めよう』の監督を務めており、『世界の終わりのいずこねこ』は劇映画初監督作品になります。

作品の想いや制作の裏側、竹内さん自身について伺ったところ、あるキーワードが浮かび上がりました。

それは「全てはインターネットとリンクする。」ということ。今となっては、インターネットがあって当たり前の世の中。この時代を生きる竹内さんだからこそ『世界の終わりのいずこねこ』は生まれた、とも言えそうです。

前編は、本作の監督のオファーが来てからスペシャル完成披露試写会の開催までについて、心境や裏話を語っていただきました。

後編では、竹内監督の好きな映画や他のアイドルをクラスメイトに起用したきっかけなど、さらに『世界の終わりのいずこねこ』の内容に迫ったインタビューをお届けします!

(後編はこちらから:http://mag.camp-fire.jp/3295/

初めての劇映画作品

ーまず初めに、劇映画初監督作品としてお話をいただいた時の心境はどんな感じだったんでしょうか。

竹内)まず最初に企画プロデューサーの直井卓俊さんが、共同脚本・コミカライズを担当した漫画家の西島大介さんに「いずこねこで映画を作りたいんですけど、プロットをお願いできますか。」と話してから始まったものなんですね。

それで西島さんがやってくれる、じゃあ監督誰にしようって話になった時に西島さんが、僕が最初に監督したフェイクドキュメンタリー映画『新しい戦争を始めよう』を気に入ってくれて、それで指名をいただきました。

最初の心境としては「おもしろそう、やろう。」みたいな感じでした。

ーそんなラフな心境だったんですか。

竹内)すごい軽かったんですよ僕。「お!…劇映画ですか(眼鏡をくいっと上げる監督)」

ーついにきたか、みたいな(笑)

竹内)「ふんふん。お、やりますか。」みたいな(笑)

ーかっこいいですね(笑)

竹内)劇映画初めてですのにね。(笑)でも、気持ちとしてはそんなに重くなかったんです。最初はそうだったんですよ。

全て過程から言わせてもらうと、クラウドファンディングをCAMPFIREさんでやらせてもらうことが決まった時は、正直不安でいっぱいになりました。なんでかというと、そもそも今まで自分のものを作るスタイルとして、お客さんが先にお金を出してくれてるっていう状況が初めてだったので。

ある種、自己完結というかマイワールドに入り込んで作品を作る、っていうことしかやっていなかった。

初めての劇映画監督っていう所も含めて、お客さんから見守られながらやるっていう状況がプレッシャーだったんですね。

ー特にアイドルファンの方々は熱量が大きいですよね。

竹内)アイドルのために全てを費やせるから、本当にすごいって思うんですよ。今回CAMPFIREさんで支援してくださった方々がいるっていうのはまさにそういうことなので。

僕ならそこまで愛情を注げるかなって思うと、絶対出来ない。本当に愛情深い方々なんだなと思いますね。

愛情が深い分、関わるものに対して厳しい。映画に関しては絶対そうだと思うし。

今まで命を掛けて応援してきたいずこねこの映画企画が解禁された時、良い物を作らなきゃ許さないぞっていう気持ちが絶対あったと思うんですよ。僕も実際そうだったんです。

自分が本当に好きなバンドとかグループが映画化されるとしたら、世に知れ渡る機会が増えるじゃないですか。それでつまらない映画だったら本当に許さないっていうのは絶対あると思うので、そのプレッシャーがまずありましたね。

いずこねこは今回の企画をもらって、初めてライブを観させてもらいました。

いずこねこに関して知識も全然ないから、まず知らなきゃいけない、いずこねこっていうものを深く掘り下げなきゃいけない、という所からのスタートだった。

なので、CAMPFIREさんで一緒にやるっていう部分がまず、大きな壁だったんですよ。

でもその壁があったからこそ、ちゃんとやらなきゃいけないっていう気持ちにもなりました。

ーなるほど、では良い効果もあったんですね。
竹内)集まった金額を見てリアルに考えると「これはちゃんとしたものを作らなきゃいけない。」というのは良いプレッシャーになりました。

常にたくさんの目に見られている感覚は緊張感があり、背負うものも大きかったんですけど、そこまで意識しすぎても自由度がないなと思ったので、なるべく考えないようにして試写会の前日まで作りこんでいました。

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みんなのアイディアを取り入れて作られた脚本

ー試写会の前日までそんな心境で制作されていたんですね。共同脚本の西島さんとはどのように脚本を固めていったのでしょうか?

竹内)今回の映画が本格的に進み始めたのは、初稿の脚本ができた4月か5月からでした。まず初稿が第一関門だったんですよ。

西島さんと直井さんに見せてビクビクしながら反応を待って、そしたら「面白いじゃない!」みたいなリアクションをもらい「よし!あー良かった。」と。

その後、西島さんに「あとはちんぐ(竹内監督の愛称)におまかせします。」といただいたので、石井助監督と二人三脚で脚本を練っていきました。

石井さんは映画制作の経験をたくさん積んでるし、作品もたくさん見てるし、本当に信頼できる助監督でした。

何度も何度も新宿の西武でやりとりしたのが楽しかった。楽しいって言ったら変ですけど、1人で話を作るよりも2人で一緒にやりとりしながら作るってすごい面白かったんですよ。

助監督が僕の思いつかないアイディアや意見を出してくれて「確かにこうしたらもっと面白いな。」とか、そういうのが多かったんです。

演出に関しても現場で悩んでいると彼が提案してくれたりしましたから、石井さんにはお世話になりましたね。

ー理想的な形で順調に進んでいったんですね。

竹内)ただ脚本の作業をやっていた時に、おまかせしてくれたはずの西島さんが7月になって急にエンジンが点火して「絶対こうした方がいい!」と脚本を改編してきたということはありました(笑)

ーえー! 7月というと撮影に入られる1ヶ月前のことですよね?

竹内)もうスタッフとキャストに脚本を渡してたんですよね。ここからちょっと変えるよ、くらいの状態で。

スタッフはこれからロケハンに動きだす感じだった。そういう中でシーンの順番の入れ替えとかじゃなく、もう話が結構変わってる脚本がイギリスに居る時にメールで送られてきて。

ーイギリス!?
竹内)BABYMETALのライブを観にイギリスに行ってたんですよ(笑)

準備万端でイギリスに行こう、っていう気持ちがあったからきっちり終わらせて行った感じだったんですけど、まさかのイギリスで「メール?なんだ?」と思ったら西島さんの改編が届いていました。

「なんでこんなロンドンで…あー!(突然叫ぶ監督)」って思いましたね。
でも、最終的には西島さんの承諾を得て、もとの脚本に戻りました。

ーみなさんの意見やアイディアが取り入れられて完成されたんですね。

竹内)共同脚本を作る上で第二稿、第三稿と度々西島さんや直井さんに送って、みなさんのアイディアを取り入れて形になっていったなというのはありますね。

西島さんが最初にいずこねこを聞いてイメージした世界観を土台に作って、僕が全ての筋を合わせ、自分の作りやすさという意味でも現代劇風にしていったんです。

それを石井さんが映画的な脚本にするために色々と相談してくれて、西島さんと直井さんのアイディアを取り入れて作っていきました。

撮影でも継続された「みんなで作る意思」

ー撮影中はいかがでしたか?

竹内)8月20日から8月28日まで毎日撮影を続けて、本当に色んなことがあったんです。最初に愚痴を言わせてもらうと、寝れない!(笑)

ー(笑)
竹内)夜遅くて朝早い。これはスタッフとキャスト全員一緒なんですけど、朝6時に新宿集合で夜1時解散。帰ったら2時、3時で2、3時間寝て、また6時集合。それが何日も続きました。

僕自身、7時間寝れないと本領を発揮できないんですよ。みんな頑張ってるから寝れないのは仕方ないし、僕も頑張ろうっていう気持ちはあったんですけど、あんまり寝れてなくて今の自分はきっと正常な頭じゃないだろうなって思いながらやってました。

現場に行ったらもうそれどころじゃないという。

ーそうですよね。とても慌ただしそうな様子が想像できます。

竹内)今回の映像は、カメラマンの伊集さんと照明の小川さん。この2人の作品と言っても過言じゃないくらい、助けてもらいました。

1番好きなシーンが、イツ子と先生の面談室の シーン。教室の中が暗めで、先生の身体に少し虹色がかかった映像なんです。

伊集さんと小川さんのセンスが炸裂していました。この時のいずこねこの茉里さんの演技もすごい好きで、撮影中も編集中も何度もグッときちゃいました。このシーンが撮れただけでも、今回の映画良かったなって思えるくらいです。

小川さんは僕と同じアイドルが好きだったりで、すごく仲良くさせてもらいました。カメラマンの伊集さんは「セーラー服と機関銃」をリスペクトしていて、「セーラー服と機関銃」のあるワンシーンと同じロケ地のシーンもあります。

新宿の歩道橋で主人公のイツ子が東京の街を見渡すカットですね。

今回、スタッフの多くがアイドル好き、かわいい女の子好きという意味で共鳴し合った土台は結構重要だったかもしれないです。

現場を回す方々の力があったからこそっていうのを感じましたね。

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▲先生役の西島さんの腕に虹色が!

ー撮影中の竹内さん自身の心境はいかがでしたか?

竹内)現場でスタッフが20人近くずっと稼働する環境自体、今回初めてっていうのもあったんですよ。

たくさんの人がこんなに頑張ってくれているからこそ良い物にしたい、っていうプレッシャーはもちろんあった。

でも、みなさん本当にプロフェッショナルにやってくれたので、僕が自分の作品を見せつけるっていうよりかはカメラマンのこの映像が良いとか、石井さんの配役が面白い、っていう感じでそれぞれをピックアップして勧めたいし、そういった意識がすごく強いんですよ。

センスも趣味もバラバラだけど、それぞれがこの映画で何を作りたいか、テンションとしてもなるべくみんながある程度こうしたいなっていうことを反映したかったんですよね。

「俺の作品を世界に見せつける」みたいな感じのものに憧れてもあったし、それもいいなと思ったんですけど、僕の場合はちょっと違うんだなって。脚本の時点から、みんなで作るっていう意思のほうが強かった。

昔出版社で働いていたって経験もあるので、色んなトピックを編集する感じだったのかも知れません。

まとめるのが好きなんですよね。記事なり、そういったデータなりを。そういう監督の立場だったと今回は思いますね。

「ポップなもの」を勧めたい

ー今回の作品における、竹内監督のルーツはライターと編集だったってということですね。

竹内)そうですね。そこがやっぱり強みでもあったので。映画は初めてだから手馴れた演出ができるわけでもないし、全然です。

だったら自分のできる所で勝負したいなっていうのがあったから、そこは恐くなかったですね。

今までやってきたことにはある程度自信があったので、何かを勧めるとか、これは本当にいいんだよって伝える。

僕が本当に良いと思うものはみんなも良いと思うに決まってるっていう気持ちが強いんです。

色々とおこがましいんですけど、そんな感覚は今まで間違えてなかった。

神聖かまってちゃんも能年玲奈さんもBABYMETALも大森靖子さんも、これは絶対いい! って思って人に勧めたりして。

ーその方たちを早い時期から勧めていたってすごいですよね。今となっては、誰でも知っているくらいの認知度があります。

竹内)僕はやっぱりポップなものが好きなんですよね。みんなが好きなものが好きっていうのがあって。

僕の立場ってサブカルっていう意味になると思うんですけど。そもそも全て最初はサブカルから始まってると思うので、そこからメインストリームになっていく。

ただ、テレビに出たらサブカルじゃなくなるのか、その区切りも良く分からないんですけど。

僕はいずこねこの存在もそうですし、全てにおいてポップなものが作りたかったし、ポップなものを好きであるし、ポップなものを勧めたいっていう気持ちが今回の映画じゃないかなって思ったんです。

ーその後の編集作業やスペシャル完成披露試写会はいかがでしたか?

竹内)編集が終わるまでの期間が本当に短かったんですよね。

前日まで編集をしていたせいか、当日緊張する暇もなかったというか。睡眠があまり、でも…7時間は寝ましたね(笑)

ー熟睡されていますね(笑)
竹内)ちゃんと寝ないと何もできなくて。「どうだ!これ以上、何もできねぇぞ!」っていう気持ちでばーっと編集してきたんですけど、やっぱり映画が上映されて、舞台挨拶で前に出る瞬間はドキドキしましたね。

あんまりないと思うんですよ。初監督でいずこねこを心から応援していて、映画を制作するために支援してくれた方々の目の前に生きるか死ぬかくらいの心境で出るっていう(笑)

そんな瀬戸際のプレッシャーもあったんですけど、会場を出た後のファンの方々の反応を伺う限り、ちゃんとそんな自信満々に言えないんですけど「あいつちっくしょう!」みたいな悪い感じではなかったかも知れません。

ーどんな反応をいただいたんですか?

竹内)全てのイベントが終わって会場を出たら、ファンの方々が集まっていらっしゃったんですね。

そして「監督、お疲れ様でした!」って拍手してくれて。その反応が本当に嬉しくて泣きそうになりました。

結構大人数で集まっていらっしゃったんですけど、いずこねこの現場(アイドルのライブやイベントの総称)がファン同士が会える機会の場所でもあって、それがもう無くなる。会えなくなる寂しさもあると思うんです。

アイドルの終焉ってある意味そういうのも含まれてるんじゃないかと。そこで、いずこねこってこんなに優しい人たちに見守られてたんだな、心から応援してくれるってすごいなって思いました。

そうさせるいずこねこの茉里さんとサクライケンタさんが本当にすごい! と改めて思いました。

今までも思ってたんですけど、いざ作品という形で世に送りだして、それを見た人と接してみて、ようやくいずこねこの魅力が分かったんですよね。「いずこねこを映画化したな」ってその時に実感を持ちました。

今回、CAMPFIREさんを通じてお客さんの目が見えるっていう状況で作らせてもらったこともあったので余計にそれが分かった。

CAMPFIRE mag.さんに載せていただくから言っている訳ではないんですけど(笑)

ーとても嬉しいお言葉をありがとうございます。

竹内)他のプロジェクトもそうだと思うんですけど、作品が完成する前から支援していただくシステムっておそらく良いプレッシャーになるんじゃないかって思いますね。

もちろん本当にしんどい時もあるんですけど、やっぱり作品って人と人との対話的なものがあるので、そこをちゃんと作る前から意識できるっていうのは良いことだと思いました。

作品として完成できたからというのもありますが、CAMPFIREさんと一緒に作らせていただけたのは、かなり刺激になったと思います。

(スペシャル完成披露試写会レポートはこちらから:http://mag.camp-fire.jp/2052/

竹内さんが1番好きなシーンだと熱く語ってくださった、面談シーンは見逃さないようにチェックしてみてくださいね!

後編は、竹内監督の好きな映画や他のアイドルをクラスメイトに起用したきっかけなど、さらに「世界の終わりのいずこねこ」の内容に迫ったインタビューをお届けします。

(後編記事はこちらから:http://mag.camp-fire.jp/3295/

『世界の終わりのいずこねこ』作品&劇場情報

2015年3月7日から全国順次上映されることに加え、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015」のフォアキャスト部門にて上映が決定しました。ぜひ、いずこねこに会いにきてください。

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【『世界の終わりのいずこねこ』作品情報】

出演:茉里(いずこねこ)、蒼波純、西島大介、緑川百々子、永井亜子、小明、宍戸留美、蛯名恵、いまおかしんじ

クラスメイト役:ライムベリー、みきちゅ、PIP、コショージメグミ、レイチェル、姫乃たま、あの / ようなぴ / しふぉん(ゆるめるモ!)、篠崎こころ(プティパ -petit pas!-)、木村仁美、宗本花音里、Classic fairy、桃香(Peach sugar snow)、月詠まみ(恥じらいレスキュー)

  • 監督・脚本:竹内道宏
  • 共同脚本・コミカライズ・劇中イラスト:西島大介
  • 企画:直井卓俊
  • 原案・音楽:サクライケンタ
  • 撮影:伊集守忠
  • 録音・整音・効果:高島良太
  • 美術:野中茂樹
  • ステージ衣装:みづきまもも
  • 木星人衣装制作:東佳苗
  • ヘアメイク:須見有樹子
  • 助監督:石井将
  • スチール:飯田えりか
  • 製作:ekoms+SPOTTED PRODUCTIONS
  • 製作協力:CAMPFIRE
  • 2014|STEREO|16:9|88分

【『世界の終わりのいずこねこ』劇場情報】

・ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
開催日:2015年2月21日(土)
時間:START 16:00
会場:ゆうばりホテルシューパロ(2階) 、嶺水の間

※ゲスト:竹内道宏監督/フォアキャスト部門にて招待上映
http://yubarifanta.com/

・東京
開催日:2015年3月7日(土)〜3月27日(金)
会場:K’s cinema

・大阪
開催日:時期未定
会場:第七藝術劇場

・兵庫
開催日:時期未定
会場:元町映画館

・京都
開催日:時期未定
会場:立誠シネマ

・愛知
開催日:時期未定
会場:シネマスコーレ

※上映時間および詳細は、各劇場にお問い合わせください。