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開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<前編>

2015年10月1日

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開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<前編>

10月3日(土)から10月4日(日)の朝にかけてオールナイトで開催される、野外映画フェス『夜空と交差する森の映画祭』。

舞台となるのは、その名の通り”夜の森”。2年目となる今年は、埼玉県のフォレストサンズ長瀞から、約3倍の広さとなる山梨県白州・尾白の森名水公園べるがに会場を移します。五感まるごと楽しめる映画体験のコンセプトはそのままに、よりフェスらしさを感じる会場でさらにグレードアップした非日常空間が作られます。

昨年に引き続き、今年の入場チケットもすでに完売し、2,550人を迎える準備まっただ中の人気イベント『夜空と交差する森の映画祭』。代表で映像作家の佐藤大輔さんと副代表でグラフィックデザイナーの上久保充さんの開催直前、ロングインタビューの前編をお届けします。

ーまずはチケット完売おめでとうございます!

佐藤大輔/上久保充)ありがとうございます!

※コンビニ支払いの期日オーバーにより、自動的に再販になる可能性がございます

ー追加分も全て完売した時の気持ちはいかがでしたか?

佐藤)チケット完売自体に関しては、嬉しかったですね。

上久保)調子乗ってると思われるかもしれませんが、今年は完売が大前提で動いていたから、喜びよりもほっとしたっていう気持ちのほうが大きいですね。完売すると運営予算が確定したことになるので「越えなきゃいけないリスクが無くなって良かった。あとはやるべきことをやるだけだ。」って。

佐藤)僕もそうだし、スタッフもそうなんですよ。去年は初めてだっただから1枚売れる度に喜んで、完売までに盛り上がりがあったんですけど、今年は「まぁそうだよね」と。そこが良くないところで、モチベーションに関係してるかもしれない。

上久保)そう。だから自分も含めたスタッフ一人ひとりが、去年の実績に甘えず、今年はどうなるか分からないっていう意識を持って作業するのが大事だよね。

去年できていたことができなかったり、今年の動員を2,500人にすることによって新たな障害が出てきて、崩れていく可能性があるっていうのをちゃんと自分に釘刺さないといけないな、と思いながらやっています。

佐藤 ボランティアスタッフを200人集めなきゃいけないとか、機材の手配とか、まだまだ課題が山積みだったので、チケットの売れ行きに関しては変に手を出さず流れに任せていました。広げすぎるとお問い合わせが増えちゃうので、余計なタスクを増やしたくなかった。逆に興味があるのは、キャパの制限がなかった時にどれくらいチケットが売れるんだろうってことなんです。

まだ2回目で将来のことは分からないけど、大きくしていきたい気持ちはもちろんあるからどこまでいけるかな、っていう気持ちはありますね。映画界のフジロックみたいになれれば(笑)。

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▲2014年の会場の様子。夜空を背景にしたスクリーン、会場の装飾がとても印象的だった

『夜空と交差する森の映画祭』のはじまり

ー昨年のインタビュー(前編後編)に続いて2度目のインタビューとなる今回は、映画祭のルーツから迫っていけたらと思います。まず、おふたりがそれぞれデザイナーと映像作家になったのはどんな理由で?

上久保)高校2年生ぐらいで進路を考えたときに、何かモノをつくる仕事がいいなと思い、青森から上京してイラストレーションを学べる専門学校に入ったんです。でも絵って個性的じゃないといけないのに、みんなで同じ授業を受けるのに違和感があって。

それならデザインの勉強をして、それを活かした絵を描けたほうがいいなと思い、2年生でデザインコースを選択したんです。写真も絵もそうですけど、広告やデザインってひとつの絵に情報と人の心を動かすための全てが入ってる。そっちのほうがおもしろいじゃん!ってデザイナーになりました。

佐藤)色んな情報が入ってるって、僕が映像を選んだ理由と同じなんですよ。絵や音や出演者、脚本だと小説や漫画を原作として含んでいたり、映像にさらっと出す机もどこかのブランドだったり。

様々な情報が映画の中に存在することにおもしろさを感じて、映像という道を選びました。目で見えている部分以外に見えるものがあるってすごく素敵だなと思うんですよ。例えばショートフィルムなら、あるどこかの生活の5分ぐらいを切り取ってる。

面白いものだと、その30分前が思い浮かんだり、登場人物の2年後が想像できたりと。5分以上の情報量を持たせることができる。平面だけど奥行きがある世界だなって感じるし、映像には使える武器が多いなと思ったんです。そういう根底にある考え方が、僕らは近いんですよね。

ー出会ったのはいつ頃なんですか?

上久保)2年前の秋かな。僕はフリーのデザイナーとして仕事をしていて、大輔さんは会社勤めで動画制作とかをやっていました。共通のクライアントにお互い「おもしろいことを考えてる人がいますよ」と紹介されて、3人で渋谷の居酒屋で飲んだんです。

大輔さんは映画監督を目指してショートフィルムを作っていて、僕も物語を考えるのが好きなので、映画にしたいストーリーの話をしたら意気投合しました。映画祭の話も事前に聞いていて「じゃあ僕はロゴとかパンフレットとか、サイト作りを手伝うよ」って出会った時点でそんな話になってた。

『夜空と交差する森の映画祭』っていうネーミングがすでに決まっていたので、その場でサイトのラフも描きました。最初に映画のスクリーンがバーンと出て、下から上に、夜空に向かってスクロールすると情報が出てくる。それを実現したのが、第1回目のティザーサイトでした。

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▲『夜空と交差する森の映画祭 2014』オフィシャルサイトより

佐藤)ティザーサイトは出会ったその日にできてたってことですね。

上久保)けど、大輔さんは酔っちゃって出会った日の記憶が一切ない。

佐藤 あ!…自分から言おうと思ったのに(笑)。

一同)(笑)。

ーその後はどんなことをされたんですか?

佐藤)上久保さんと出会った1ヶ月後の11月に仲間内でキャンプをして、森で実際にスクリーンを立てて映画を流すプレテストをしました。その時にロゴの初期案とかポップコーンベアの原案ができたんです。

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▲アメコミ系の絵が得意の上久保さん。当時流行していたゆるキャラへのアンチテーゼとして描いたそう

上久保)大輔さんここでも記憶がないんですよ。「こんなんじゃ全然できないよ」って怒られてるのに、正座して寝てた(笑)。

ー怒られているのに(笑)。できなかった理由というのは?
佐藤)とにかくめちゃくちゃ寒かった。映画どころじゃなかったので、11月中旬はやめようっていうのは決まりました。

夜空を背景に木と木の間にスクリーンを吊るそうと試行錯誤したんですが、重量や枝に引っかかって上がらないとか、想像よりも超大変だなって思いましたね。ちなみに今年からは安全面を考えて、業者に頼むことになりました。

キャンプの次は1回目の『夜空と交差する森の映画祭2014』の告知ですね。2014年の初期にサイトを作って、世の中にやるってことを宣言しちゃおうと。

上久保)その頃、僕より前に居た幹部陣が仕事で忙しくなって、残ったのが僕と大輔さんと他2人の計4人。

佐藤)そこからサイトでスタッフを募集して、集まったやつらでやろうって感じでした。大きいBBQをやるみたいな軽い気持ちでいたので、7月くらいまで集客は300人くらいでいいやって思ってましたね。

大きな話題を呼んだイベントが迎えた、2年目の胸中

ー7月からPRとしてCAMPFIREでプロジェクトをやったり、メディアに取り上げられたりと、瞬く間にチケットが完売しましたね。去年の映画祭、終わった後はいかがでしたか?

上久保)終わったって感じがしなかったな。

佐藤)終わんねー、と思ってたよね。機材搬出があったので、終わって3日間くらい会場に居ました。スタッフはどんどん帰るけど、片付けがなかなか終わらない。

上久保)とにかく開催することでいっぱいいっぱい。片付けはみんなで1日一気に頑張れば終わるっしょ!みたいなどんぶり勘定で、計画がなかった。しかもイベントの途中で雨。 降ったら中止、晴れたらやるっていうその二択しかなくて、途中から雨が降るっていう想定をしていなかった。

佐藤)降る確率は高かったので、ずっとアメダスを見てるスタッフがいたんです。雨がそろそろ降るというタイミングで中止して、全員が避難を終えてから雨が降ってきたのでギリギリでした。降ってからの避難だったら混乱していたと思います。去年の計画性のなさが、そこに出たかもしれない。行き当たりばったりでよくできたなって。

上久保)計画が無かったというか、初めてのことでものさしが無かったからできたんじゃないかな。今年はものさしがある分、それに捕らわれて窮屈になってるところもある。

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▲夜空と交差する森の映画祭代表・佐藤大輔

ー去年と比べて変わったことってありますか?

佐藤)堅くなったかな…。

上久保)今年はボランティアスタッフが入る前から組織図があって、どこに所属してどんな仕事をやるかっていうのが決まってた。組織って絶対そっちのほうがいいと思うんですけど、変に縦割りしすぎて。

ボランティアでやってることだから、100%の希望は叶えられないですけど、やりたいことをやって欲しいんですよ。けれど、ちゃんと運営をしたいがために壁ができちゃってるというか。そういうところはすごく窮屈だなと思います。

僕らがそうしたんだけど、もっとフランクにやりたいなっていう気持ちはあります。僕らは作ってる気持ちはないんですけど、上下関係のようなものがボランティアスタッフ一人ひとりの中にできてるものもあると思うので、リセットするボタンがあったら今すぐ押したいなと。

佐藤)このタイミングで?

一同)(笑)。

佐藤)色んなしがらみがあるから、僕らは毎年1回きれいにする解散方式を取っているんです。今年も解散日を決めてあるのでそこで気持よくさよならして、それでもやりたい人はやりたい人なんだって。

ー2回目ならではの苦悩があるんですね。

佐藤)情報の整理はしてるはずなんですけど、それでも不安に感じています。去年は荒かった部分もあり、正直色んな所で問題は起きてました。今年は逆に細かいことを気にしてるから、当日焦らない可能性はあるんですけど、しっかりやりすぎているのも良くないなって気もする。良い意味での無邪気さ、無謀さが無くなったかなと。

ー2年目を迎えた心境はいかがですか?

佐藤)今年はやっぱり場所を変えた、というのが大きかったですね。やりたいことの1つではあったけど、他のもっとやりたかった部分を実現できなかったというジレンマがあります。ただ、最初から目指している方向を変えずに、去年より明確にグレードアップできたと思います。そこが1番重要かな。

上久保 僕の中では結局、大輔さんが作りたいものを手伝ってる印象なんです。森の映画祭というのは大輔さんがやりたいことで、彼はゼロをイチにできる。僕はイチをいかに増やせるかっていう役目だと。美術に完成形はないけど、当日までやれる作業が完成になると思っているので、去年のハードルよりもどれだけみんなの期待を上回れるのかが楽しみですね。

あと、作ってる時よりも作ったものを眺めるほうが好きなので、1年目はできなかった「自分が作ったものを客観視する」ことも楽しみにしています。運営は完全に信頼してるので、あまり心配してないです。去年もなんとかなったので、なんとかなる。

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▲美術制作のアトリエにお邪魔してきた様子は後編にて!

後編は美術や世界観、イベント当日をもっと楽しむための注目ポイントに迫ります!

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