CAMPFIRE MAGAZINE

挑戦者の声なき声を、小さな火を灯しつづけるCAMPFIREのオウンドメディア

開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<後編>

October 2, 2015

News

続きを読む
開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<後編>

morimovie2_main_420

10月3日(土)から10月4日(日)の朝にかけてオールナイトで開催される、野外映画フェス『夜空と交差する森の映画祭』。

舞台となるのは、その名の通り”夜の森”。2年目となる今年は、埼玉県のフォレストサンズ長瀞から、約3倍の広さとなる山梨県白州・尾白の森名水公園べるがに会場を移します。五感まるごと楽しめる映画体験のコンセプトはそのままに、よりフェスらしさを感じる会場でさらにグレードアップした非日常空間が作られます。

昨年に引き続き、今年の入場チケットもすでに完売し、2,550人を迎える準備まっただ中の人気イベント『夜空と交差する森の映画祭』。代表で映像作家の佐藤大輔さんと副代表でグラフィックデザイナーの上久保充さんの開催直前、ロングインタビューの後編をお届けします。

【前回の記事】
〈スペシャルインタビュー〉開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<前編>

裏設定から作り上げるステージの世界観

ー上久保さんは『夜空と交差する森の映画祭』のアートワークのみならず、会場美術も担当されていますよね。美術制作の経験があったんですか?

上久保充)いえ、初めてです。やる人が居なかったので、じゃあやるよと引き受けることになりました。大輔さんと出会った時、まさか美術もやることになるなんて思わなかった(笑)。

とりあえず最初に何から作ろうかと考えて、僕なりに出した答えはとにかく旗を作ることでしたね。夜の森でやる映画祭だから、それだけで非日常。あと、フェス感を出すためにクリアできるのは旗しかないと。2ヶ月前ぐらいまでずっと旗を作って、残りの期間で他の美術を一気に作りました。

morimovie2_2_2

▲2015年の『夜空と交差する森の映画祭』マップ

ーデザインや美術に関して、佐藤さんから何か要望は?

佐藤 「こうして」とかはないですけど、コンセプトを考えるのは好きなので伝えていますね。例えばマップはポケモンみたいなのが良いとか。映画祭に来た時、最初にパンフレットを見ると思うんですけど、マップに水のステージとか岩場のステージのマークが大きくあって「ここにあとで行こうよ!」ってなるようにワクワク感を重要視してる、とか。

今年のステージは、会場となる地形にプラス要素を加えています。森だったらミステリーの要素を入れた「ミステリーフォレスト」。谷にロマンティックをプラスして「ロマンティックバレー」とか。ステージに世界観を作りたいなっていう話を最初にして、2人で18時間ぐらいずっと名前を考えてましたね。

ーネーミングが素敵ですよね!何かコンセプトになっているものがあるんですか?

上久保)僕の中で裏設定があって、その世界観を出すように考えています。例えばミステリーフォレストの裏テーマは「泣き虫魔女の隠れ家」。泣き虫魔女が住んでいて、ホラーではなくミステリーなので怖いんじゃなくて不気味、だけど愛嬌がある。

それを出すために何があればいいのか、光ひとつでもどんな色合いがいいのかを考えながら、イベントや美術などの画像を参考資料としてひたすら集めました。資料からイメージをさらに膨らませて、美術スタッフと同じゴールを目指せるように、参考資料やべるがの写真の上に絵を描いたイメージ図、世界観を連想するワードなどを視覚化して共有しました。

ミステリーフォレストの連想ワードは、不気味・怖い・赤ずきん・不思議の国のアリスとかですね。会場演出は輪輪シネマさんという団体に協力していただくことになっているので、実際に体感するのを楽しみにしてもらえればと思っています。

morimovie2_2_3

▲ミステリーフォレストステージをイメージしたフォトブース。ちょっと不気味なガイコツが…

実際にモノを作る前に、コンセプトやイメージを固めてから手を動かすようにしているんですが、全部のステージを関連付ける1つのストーリーを作ったりもしているんですよ。ただ、当日会場で体験できないと、こんな風にやりたいって言うだけになってしまってかっこ悪いので、そこは見定めていますね。

ー今回作成された美術で、特に印象に残ってるものはありますか?

上久保)バーニングスクエアの看板が、計画通りにいかなかったんですよ。アルミホイルを文字型に切って、火で炙ったらアルミホイルに包まれている部分は焼けずに生の木のまま残るかなと思ったら、火が強すぎてアルミホイルが全部焼けてしまった。なので全部焼いて、削ってみた結果もっと良くなった。

morimovie2_2_4

▲こちらがアクション、SF作品などが上映されるバーニングスクエアの看板

あと去年も作った黒板もグレードアップして置きたいな、と思っています。真ん中に映画祭のロゴだけ描いて、感想や落書きを書いてもらうことでひとつの美術が完成するっていう。来てくださる方は、ぜひ自由に書いていってください。

2015年の短編注目作品とおすすめポイント

ー映画祭の中身となる作品についてもお伺いしたいのですが、作品とステージの選定はどのようにされているんですか?

佐藤)今年のステージは、長編作品を上映するメインステージ「ミッドナイトガーデン」。短編作品を残りの3ステージを「ミステリーフォレスト」「ロマンチックバレー」「バーニングスクエア」。3つのジャンルに分け、偏りがないようにしています。

サスペンスやミステリー系、色で言うと寒色系の作品はミステリーフォレスト。ドラマ、ラブコメ系で暖色系はロマンチックバレー。バーニングスクエアのジャンルはフラットで、アクションや他のジャンルを振り分けました。

映画の選定は、男2人女2人の4名でやっています。男女で評価が異なったり、僕の主観だけが反映されないようバランスを見てやっています。

ー短編映画で注目作品はありますか?
佐藤)山岸謙太郎監督というインディーズ映画業界で有名な方が2012年に撮ったインディーズ映画『東京無国籍少女』を上映します。この作品を原作に、押井守監督がリメイクされたものを今年全国公開しているので、話題性のある作品だと思いますよ。

今年は比較的、アニメーションが多いですね。様々なジャンルの映画を観ていて、やっぱりアニメーションには世界観を感じるなと思います。そのひとつとして、石田裕康監督の『FASTENING DAYS』。去年上映した『フミコの告白』を監督の新作で、ファスナーのYKKとコラボした作品になっています。疾走感のあるアニメーションで、しかも『フミコの告白』のオマージュも入っていておもしろいんですよ。

石田監督は、『フミコの告白』をYouTubeにあげたことで世界的に注目を浴びて、それがきっかけで事務所に所属したりステップアップしていった方。同じように映画祭で流した作品がお客さんに観てもらうことで話題になって、そこから糸口や新しい出口が見つかればいいな、というのはコンセプトのひとつでもあります。

ー美術や映画以外で、もっと映画祭を楽しむためのポイントを教えてください。

上久保)フードチケットは1人1つは買ったほうがいいです!できるだけ待ち時間ができないように前売りチケットを売っているので、ぜひ早めに買って欲しいですね。(10月2日(金)20:00までこちらで販売中)去年好評だったのスペアリブは、今年も継続して販売予定ですよ。

フードもパワーアップしていて昨年は1店舗のみでしたが、今年は4店舗あります。あと、今年から売り子を配備しようと思っています。野球場とかにいるような感じで、ホットココアやコーヒー、ポップコーンとか売ろうかと。売り子によってポップコーンの味が違うっていうのを考えています。売り子から買うというコミュニケーションやその子がかわいかったとか、何味だったとか。そんなところも楽しんで欲しいな、と思っています。

morimovie2_2_7

▲4つのステージとフード、ワークショップのロゴ

ーワークショップはどうですか?

上久保)Tシャツにその場でプリントとか、花かんむりやアロマキャンドル作りを予定しています。公式グッズとしてタトゥーシールを作ったので、それを貼れるブースも設ける予定です。グッズは他にも、シリコンリストバンドとパーカーなどですね。

ー家から持ってくるといいグッズってありますか?

佐藤)防寒着はマストですね。ダウン1枚は持ってきたら心強いと思います。

上久保)あとライトがあるとすごくいいです。できるだけ危なくないようにはするんですけど、どうしても暗い部分ができちゃう可能性があるので用意してもらったほうがいいかなと。あとはレジャーシート、小さいキャンピングシート。

佐藤)あとレインコートですね。そもそも雨でフェスが中止だと、一生フェスができないことに気付いてきたので、台風がきたら中止しますが雨はやります。普通のフェスと同じような雨対策をして、この辺が揃っていればとりあえず大丈夫だと思います。

映画に捕らわれず、もっと新しいことを生み出していきたい

ーまだ2回目が開催される前ではありますが、今後について考えていることはありますか?

佐藤)将来のことは分かりませんが、予定としては1年に1回、今回のような映画祭をやりながら、小さい規模のものをやっていこうかなと思っています。複数スクリーンがあるものを毎年4、5回やるのはしんどい。なので、ミステリーフォレストのみのイベントをゴールデンウィークにやる、といったことができればいいなと。そうすることで、今回詰め切れなかった部分を詰め切れる気がする。

やっぱり規模に合わせて濃度が変わるので、こじんまりと長い期間開催するイベントなら色んな人に来てもらえるし、今回手が届かなかった部分もできるかな。五感で映画体験するっていうのがコンセプトなので、ただの映画館でやらずに特殊なシチュエーションでやりたいですね。上久保さんを筆頭にして、僕らはあくまでも作品が写ってるスクリーンと自分の目の間の環境で世界観を作ってる。

映画を観終わった後、この世界にいたんだとか、そんなところが僕らの映画祭の楽しみであり、他のイベントにはないミソだと思います。いつか将来的にはもっと規模を大きくして、島で映画祭フェスとかができたらいいなって思ってます。

morimovie2_2_8

▲夜空と交差する森の映画祭代表・上久保充

上久保)僕ら森の映画祭を2年間やってる人間としてこの記事で紹介されると思うんですけど、映画祭をリセットした何かをまたポンっと作って、こういった取材を受けれたらいいなと思ってます。2人で去年の会場だったフォレストサンズさんに2人で泊まって、夜寝ずに40枚企画書を作るっていうお遊びをやったんです。

ぽんぽんアイディアは思い浮かぶけど、アイディアの根本が違うんですよね。そういうのをもっと形にしたら楽しくなるし、森の映画祭の幅が広がってくるんじゃないかなって思ってます。

佐藤)映画祭は続けていきたいですけど、やりたいことが他にもたくさんある。映画祭はイベントのフォーマットが作れたなって気がしていているので、佐藤・上久保企画をこれからはバンバンやっていきたいと思ってます。

「成功したから、これ1本でやっていくぜ」と言う人もいるけど、僕はそういうつもりはないし、別に映像じゃなくてもよくて。モノのコンセプトを考えるのが好きだけど、ビジュアル的な部分、発想力があまりないので僕にはできない。そういう意味だと上久保さん。

お互い似てる部分はあるけど、考えが生まれる属性が違う。だから今後も色んな企画をやりたいなって思ってます。そのためにも今年成功させて、僕ら以外ができることは業者に頼んで体制を作っていかないと僕らもしんどい。もっと新しいことを生み出していきたいです。映画祭も映画祭以外も、もっと。

morimovie2_2_9

出会ったその日から、お互いがお互いを刺激し合い一緒にモノ作りを始めた佐藤さんと上久保さん。おふたりの発想から繰り広げられる『夜空と交差する森の映画祭 2015』の世界観を会場でじっくり堪能してください。そして、どんな新しいワクワクが彼らから生まれるのか、近い将来が待ち遠しいです。

今年のチケットは完売ですが、次回の開催に乞うご期待!

【CAMPFIRE mag. 関連記事】

〈スペシャルインタビュー〉開催直前!『夜空と交差する森の映画祭』大人気イベントの、2年目の挑戦<前編>