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カフェも雑貨もイベントも!「HAGISO」で、谷中をもっと好きになる

October 26, 2015

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カフェも雑貨もイベントも!「HAGISO」で、谷中をもっと好きになる
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▲JR 日暮里駅・東京メトロ千代田線 千駄木駅から徒歩5分の「HAGISO」

東京・谷中にある最小文化複合施設「HAGISO」。ギャラリー、カフェ、レンタルスペース、一級建築士事務所、ショップが1つになっており、今年の暮れにはホテルもオープンします。勢いに乗るHAGISOですが、実は解体予定の物件でした。

HAGISOの前身「萩荘」は、1955年から木造アパートとして、さらに2004年からは芸大生のアトリエ兼シェアハウスとして谷中の街を見守ってきました。しかし、2011年に発生した東日本大震災をきっかけに、老朽化のため解体することに。

萩荘に住んでいた芸大生から大家さんへのお願いは、萩荘がここにあったという記憶を残すためのグループ展「ハギエンナーレ 2012」の開催でした。

萩荘に集った学生やアーティスト約20名が建物全体を使って作品を展示したところ、3週間で1500人もの方が来場。この予想外の大盛況で萩荘の価値は見直され、事態は一転します。解体ではなく改修をし、萩荘からHAGISOへ生まれ変わることに。

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▲ハギエンナーレの作品としても活躍した鳥が、現在のHAGISOで暮らしています

今回は、HAGISO代表であり東京藝術大学にて非常勤講師も勤める宮崎晃吉さんにお話を伺いました。

谷中、萩荘からHAGISOへの変遷、クラウドファンディング、そして今年の暮れにオープン予定のホテルHANAREについて。HAGISOの改修工事も自身の手で行ったという宮崎さんに、想いを聞きました。

「萩荘」から「HAGISO」へ

CAMPFIREで実施したのは、『東京谷中の木造アパート「萩荘」を、最小文化複合施設「HAGISO」へ』プロジェクト。こちらでHAGISOの照明や音響、映像設備等の資金を募り、2013年2月に見事サクセスしました。

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▲CAMPFIREのプロジェクトページ

宮崎晃吉)クラウドファンディングのパトロンの半分は、ハギエンナーレなどで元々萩荘を知っていた人。そして、全く縁が無かった人ともプロジェクトを通して出会いました。リターンは、支援してくれた人が納得できるものにしたいと思って決めました。

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▲宮崎晃吉さん

リターンのHAGISOオープン記念マグカップは非売品ですが、HAGISOに展示されています。また、同じくリターンのHAGISO 1周年記念ブック『HAGISO – Third Life』も、店頭にて販売しています。

宮崎)HAGISOを壊すことになった時、大家さんがちらっと漏らした「ちょっと勿体ないね」という一言を聞き、すかさず模型を作って「萩荘をこんな感じに改修しませんか」と提案しました。あの時思い切って行動してよかったと思います。

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▲折り紙建築を習っていたというご友人手作りの照明

HAGISOのロゴは萩荘に住んでいたメンバーによるもので、照明や机も手作りです。HAGISOの店内が温もりに溢れている理由はこんなところにもあるのかもしれません。

「HAGISOは、映画館にも美術館にもコンサートホールにもなる」

宮崎)戦後、東京に出てきた人がとりあえず住むために作られた家が萩荘です。ふつうの木造賃貸アパートで、保存するような建物ではありません。でも、萩荘には60年かけて刻まれた歴史があり、時間をかけて獲得した雰囲気がある。それを生かしたいと思いました。

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▲東京の他の複合施設と比較すると、HAGISOが最小文化複合施設であることが分かります

HAGISOを訪れるのは、若い女性から近所のおじいちゃん、サラリーマンなど様々。通りすがりというお客さんも多いそう。また、イベントも数多く開催しています。

宮崎)HAGISOは、映画館にも美術館にもコンサートホールにもなる。時間によって機能が変わるんです。今まで大きい施設が担ってきたことを、小さい単位でできる空間があったらいいなと思って作りました。

意識しているのは、「わかりにくいもの、訳がわからないものもやる」こと。HAGISOに、ふらっと来ると「何これ?」がある。拒否反応を起こすくらいのものと出会った方が、人生が楽しくなると思うんです。

HAGISOは、シックな黒壁が目印。萩荘時代はベージュ色だったこちらが、「寺町と言えば黒でしょ」の大家さんの一言で真っ黒に塗られました。構造は、萩荘をそのまま生かしています。

豊富なメニューが魅力の「HAGI CAFE」

「HAGI CAFE」の人気メニューは、サバサンドと半熟玉子のキーマカレー。その他、ケーキやアルコールも楽しめ、フリーWiFiも完備!

宮崎)HAGI CAFEを作るとき、お客さんのターゲットを絞りませんでした。まずHAGISOという場所があり、手作りのインテリアがあり、元々ここに来ていた人がます。だから、誰でも来てほしい。この場所にあって違和感が無く、ずっと続けていけるカフェを目指しました。

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▲メニューのイラストは宮崎さんによるもの。「建築の図面のように描いた」とのことで、分かりやすい

HAGI CAFEはメニューが豊富。「ゆっくりとアイデンティティーを作っていきたい」と思っていたら、自然と増えたそう。

プレゼントにもぴったり!「HAGISO SHOP」の手作り小物

2015年9月20日に、HAGISO 2階にHAGISO SHOPがオープンしました。萩荘に縁ある作家の作品を中心としたセレクトショップです。

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▲HAGISO SHOP

HAGISOオープン時に入っていた美容室がHAGI SHOPに替わり、次はホテルHANAREがオープンします。

宮崎)HAGI SHOPはオープンしたばかりですが、こちらはHANAREのレセプションにもなります。東京には多くの複合施設がありますが、HAGISOも小さいながら肩を並べていると思います。

ショップに訪れた人がホテルに興味を持ち、カフェでお茶をしていた人がイベントに参加する。そうやって偶発的にいろいろなものが生まれてほしいです。

谷中を丸ごと楽しめるホテル「HANARE」

3年目を迎えたHAGISO。宮崎さんは、「谷中に対して、今後どういうふうに働きかけていくとよいか」を考えて、一つの結論を出しました。

宮崎)谷中は古い街並みに人気があるものの「地価が上がった」という理由でマンションが増えています。でも、これは矛盾している。新しいマンションが谷中の価値を毀損しているんです。街としての価値を失いつつある現状に答えを出すため、ホテル「HANARE」を始めることにしました。

HANAREの目標は、街のコンテンツの見方を変えること。街を丸ごとホテルに見立て、お土産は商店街で買い、晩御飯は地元のおすすめ店で食べ、三味線や尺八のスクールでカルチャー体験をし、自転車屋さんでレンタサイクルをする。そういった「元々のコンテンツを外の人に再評価してもらうきっかけを作りたい」と宮崎さんは言います。

宮崎)東京中で銭湯がどんどん減っています。一度失うと築100年の建物は100年かけないと取り戻せない。目先の利益のために、これらを失って本当にいいのか。それを見直すビジネススタイルが「ホテル」だと思いました。

朝の風景から夜の街並みまで、谷中を丸ごと楽しむためには「情報」が必要です。HANAREのレセプションにはコンシェルジュが立ち、谷中の歴史やおすすめスポットを案内し、美味しいお店の予約も取ってくれる。「戦後の一時代を切り取った不可逆的な建物を少しずつ残していきたい」と宮崎さんは考えています。

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▲宮崎さんと奥様。もうすぐ待望の赤ちゃんが生まれます

浅草や原宿・六本木へのアクセスもよいHAGISO。成田空港とも電車1本で繋がっていることを生かし、外国人も招致したいと考えています。価値があるからこそ消費されかけている「谷中」という街を救いたい。そんな宮崎さんの想いが、HAGISOを通して伝わってきました。

【HAGISO】

住所:東京都台東区谷中3-10-25
営業時間:12:00〜21:00 (20:30 L.O)
定休日:月曜日(祝日の場合火曜) ※イベントによって臨時休業あり
電話:03-5832-9808
オフィシャルサイト:http://hagiso.jp/