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大自然を探検する映画フェス!とっても贅沢な『夜空と交差する森の映画祭 2014』に行ってきました!<後編>

2014年11月10日

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大自然を探検する映画フェス!とっても贅沢な『夜空と交差する森の映画祭 2014』に行ってきました!<後編>

10月4日(土)埼玉県のキャンプ場フォレストサンズ長瀞にて、”野外映画フェス”という新しい映画の楽しみ方を提案した『夜空と交差する森の映画祭 2014』がオールナイトで開催されました。

<前編>ではリターンご紹介と会場内の模様をお伝えしましたが、<後編>では開場前の森の映画祭代表・佐藤大輔さんに映画と会場のこだわりやCAMPFIREで行ったプロジェクトについてお話をお伺いしてきました!

▲森の映画祭代表・佐藤大輔さん

▲森の映画祭代表・佐藤大輔さん

ーいよいよ開催当日ですが、今の心境はいかがですか?

佐藤)実はまだこれから始まるんだ、という実感がわいていません。

開場前なのでどこを見渡してもスタッフだけしか居ないせいもあると思うんですが、これから1,000人近くの人がここに集まってくるんだというイメージがまだ出来ないです。

ただ、やりたいことを具現化できてきたことはすごく嬉しいというか、頑張ればできるんだというのは実感しています。

それもスタッフのみんなや協力者のおかげです。

五感まるごとを使って自分自身が主人公になって楽しめるように

ー上映する映画作品のセレクトにはこだわりがあったんでしょうか。

佐藤)なるべくジャンルが被らないように上映したいと思いました。

僕は映画の最後に流れるクレジットってクールダウンだと思っているんですよ。

本編で感情移入していた余韻に浸る時間。でも映画館だと、映画が終われば会場が明るくなって、無機質なスクリーンや椅子、人が並んでいるのが目に入りますよね。

そして徐々に人が立ち上がり、会場を後にする姿を見ていると、映画の余韻を十分に味わえず現実に戻ってしまいます。

映画祭で狙っているところでもあるんですが、

例えば「ハンガー・ゲーム」(※文明が崩壊した近未来アメリカを舞台に、殺し合いゲームに参加させられた16歳の少女の活躍を描いた作品。森の中でのサバイバルアクションが見どころにもなっている。)を見終わった後に川の音や鳥の声、虫の音とかが聞こえていたら、映画を見たことによって生まれた気持ちや余韻が途切れないんじゃないかと思ったんです。

不思議な感覚が生まれそうなものを狙っています。

ー森の中の匂いも併せると臨場感があるように感じます。映画館の3Dではなない新たな体感ができそうですね。それもやはり考えて作られたんでしょうか。

佐藤)そうですね、五感まるごとで楽しむ映画祭にしたいと思っています。

その1つとして人工物はなるべく排除するよう、パイプイスの代わりに切り株のイスを設置するなど意識しています。

▲インタビューはこちらの切り株に座ってお話を伺いました

▲インタビューはこちらの切り株に座ってお話を伺いました

ー長瀞という場所に決めたポイントというのはどういった所だったんでしょうか?

佐藤)長瀞と言えば岩畳ですよね。岩畳は森の映画祭の会場選びの決め手となったポイントの1つです。

山梨県が地元なので、山梨県でも会場を探していたんですけど、普通のキャンプ場に行くと森ステージと森ステージ…みたいに似たような雰囲気のステージしか作ることができない。

森だけじゃなく、川とか岩畳とか、たくさんバリエーションがあったほうが冒険している感覚がでると思ったんです。

実はポケモンが好きだったんですよ。

ー私もポケモンをプレイしていたので大好きでした!初代ポケモン世代です(笑)

佐藤)そうですよね、世代ですよね!(笑)(※初代ポケモン世代…1996年に任天堂社から発売されたゲームボーイRPG「ポケットモンスター 赤・緑」をプレイしていた世代)

ポケモンのマップにある不思議な無人島とか「なんだろうここ、いつか行ってみたいな」と思っていたワクワク感を、映画祭のマップに落とし込めればいいなと思いました。

ディズニーランドのマップとかも見てるだけでワクワクするじゃないですか。夜の森をそんな気持ちで冒険する感覚を作りたいと思いました。

ーマップを手に入れるだけで、誰でも主人公になれそうですね。

佐藤)目指しているところはまさにそこです。今年形にできたのは、自分の中で実現したいことのまだまだほんの一部です。

五感まるごとを使って自分自身が主人公になって楽しめるような構想はめちゃくちゃあります。

▲森の映画祭のマップはまさにロールプレイングゲームのよう!

▲森の映画祭のマップはまさにロールプレイングゲームのよう!

プロジェクトで完成されたフォレストステージ

ーCAMPFIREで行ったプロジェクトのフォレストステージについて教えてください。

佐藤)今回行ったプロジェクトは、寝転がったり、地べたに座ったりしながら、映画鑑賞を楽しめる、フォレストステージを作るためのものでした。

寝転がって夜空を見上げながら映画鑑賞をすることは『夜空と交差する映画祭』の元々の由来になっています。

フォレストステージで使用しているスクリーンについてですが、寒冷紗(かんれいしゃ)という網戸の網のような素材を使用しています。

ニコニコ動画でも使用されるポリッドスクリーン(※ニコニコ技術部で開発された透過スクリーン)などを試してみたり、夜空が見えるよう向こう側が透けて見えるようにするにはどうしたらいいのか、を試行錯誤を繰り返して辿り着いたのが今回の寒冷紗だったんです。

もちろん映画が写っている間に星とかは見えないですけど、天気が良ければ終わった瞬間、スクリーンの向こう側に星がピカピカみえたらいいなと思っています。

▲スクリーンの後ろにはこんな風景が広がっていました

▲スクリーンの後ろにはこんな風景が広がっていました

ーフォレストステージで観る映画は気持ちよさそうですよね!

佐藤)寝転がることができるので、カップルがいちゃついたり、寝てしまう人がでてきたりしそうだなと思っています。

森の映画祭はあくまでも映画のイベントなので、それを濁すようなコンテンツは取り入れませんでした。

例えば、色んな人から音楽のDJブース作ったほうがいいよという意見もありましたが、全部断りました。

意見を取り入れてしまうと、メインとなるコンテンツが映画なのか音楽なのか、分からなくなってしまうと思ったんです。

人によってどちらを目当てにくるかが異なるので、映画がメインであることを絶対に薄れさせたくなかった。音楽だけを目当てに来る人も出てくるだろうし。

▲寝転がるフォレストステージは居心地バツグン!

▲寝転がるフォレストステージは居心地バツグン!

ーフェス形式の映画祭というのはとても珍しいですよね。

佐藤)フェス形式でやるというのは、実は後から決まったことなんです。

最初に「外で寝転がって映画をみるイベントをやりたい」と思った後、ROCK IN JAPAN FESTIVALに行って、自分の足を使い、色んなステージに行くことでまだ出会っていなかった音楽を知るという体験をしました。

そんな出会いが映画にもあっていいんじゃないかという考えが合わさり、今の形になりました。

賛同した人とスタッフが熱いメッセージを贈り合う

ーCAMPFIREを使用して資金を募集している間、どのような反応がありましたか?

佐藤)パトロンの方からコメントを長文でいただいたことがあります。

僕の知らない昔の作家が書いた小説で、キツネが雪国で雪の壁に映像をうつす魔法?のお話みたいですね、という熱いコメントでした。

あとパトロンになっていただけなかった方からも、TwitterやFacebookで嬉しいメッセージを多くいただきました。

実際にパトロンになっていただいた方の反応は、映画祭の後にいただくメッセージで分かるんじゃないかなと思っています。

ープロジェクトが始まる前、協賛になっていただける企業や団体がなく苦労されたと伺いました。

佐藤)CAMPFIREをきっかけに「森の映画祭」を知った方が多いですし、自分たちがリーチできなかったような方々にも協賛してもらえたような気がします。相乗効果はあったと思います。

それからファッションプレスさんやめざましテレビさんなどのメディアで取り上げていただきました。パトロンもファッションプレスさんをきっかけに、という方が多いですね。

mori

▲Fashion PressでのTwitterは837リツイートという驚くべき数に!

ーファッションに気を使われているお客さんが多そうですね。

佐藤)スタッフも7割が女性で、お客さんも7割近く女性だと思います。問い合わせも男性より女性の方が多かったですね。

ースタッフといえば、パトロンのみなさんに宛てた直筆メッセージとても良かったですね!

佐藤)僕自身色紙をもらうと嬉しいなと思ったんです。

スタッフの人数が多かったので、色紙にぎっしりとお礼のメッセージを書く形になりました。

ボランティアスタッフは自分の意思を持って来ているので、自主的に行動してくれているんです。なので、コメントや行動なども熱いものになっているんじゃないかと思います。

▲スタッフ直筆の寄せ書きは会場受付にありました

▲スタッフ直筆の寄せ書きは会場受付にありました

▲会場内には誰でも書き込める、黒板寄せ書きが!

▲会場内には誰でも書き込める、黒板寄せ書きが!

純粋な映画のお披露目場で映画との出会い、人との出会いが生まれるような空間に

ー今後やりたいことや計画されていることはありますか?

佐藤)ゆくゆくは映画をメインにしないことも交えたいですね。

例えば映画と現実のパイプを作りたいと思っています。

「ミッション:インポッシブル」とか「オーシャンズ11」で銀行に潜入するとき、レーザーセンサーに触れずに避けないと進めないものが仕掛けられていたりするじゃないですか。

例えばあのレーザーセンサーを森に張り巡らせて、お客さんはそれを避けて進まないと向こう側までいけない。

しかも当たるとサイレンが鳴るとか。そんなインスタレーションを取り入れて、ミッションをクリアしたその先に映画が待ってる、という感覚を作りたいですね。

あとは映画祭の現地で食べた食べ物が、映画の中にでてくるとか。

食べながら映画鑑賞をする映画祭はいくつかあるんですけど。

他にも実際に自分の目で見たロケーションが映画のシーンにでてくるとか、自分が通ってきた駅からの道が映画に出てくるとか、リアルと映画のコネクションみたいなものが作れたらいいなと思います。

他にもステージをジャンル毎で分けて作りたいですね。

ホラーステージには十字架が立ってるとか。ディズニーランドはコンセプトに合わせた町並みを作ってるじゃないですか。

例えば「インディ・ジョーンズ」だとピラミッドがあって、ステージに行くまでも楽しむめるようになっている。

遊園地…というかやっぱりディズニーランドが例としてどうしても挙がってしまうんですけど、並んでいる待ち時間も楽しめるようにしたいです。

映画の本編が始まって、ゆるやかにテンションが高まっていって、やっと入り込めたと思ったら、バツっと映画が終わってしまうのではなく、最後まで余韻に浸れるようなゆるやかなカーブを描く感情設計をしたいというのがあります。

ー私もディズニーランドや自分が主人公になれるようなイベントが好きなんですが、森の映画祭はターゲットとして絞っている方にコンセプトがしっかりと届いているように思えます。

佐藤)そうだと嬉しいですね。映画館が良いという人は、森の映画祭のターゲット像とはまた別なんだろうなと思います。

映画を見るにはもちろん映画館が1番だと思います。虫とかいないですし、音響も映像も野外上映と比べると数段良い。

誰もが想像できるような普通の映画館を目指してるんじゃないと分かってくれるひとと、分かってくれないひとがもちろん居て。

「なんで森で見るの?」という意見ももらいました。思考は人それぞれだと思いますが、自分が形にしたいものとは違うな、と感じました。

ー今回佐藤さんの短編作品も上映されるんですよね。

佐藤)結構昔の作品を上映することになりました。本当は今回のために作品を新しく撮りたかったんです。

そして実は、映画祭のために撮っていただいた作品が2つあります。

「きき」「fly A silver balloon」という作品で、特に「きき」はこの映画祭に来るための話になっていて…というのを最近サプライズで知りました。

もっと前から教えてくれればタイムスケジュール考えたのに、と思って(笑)

結局、映画祭の終盤あたりで「きき」を上映する結果になりました。

ーでも見終わった後、1日を振り返ることもできて思いに耽ることができそうですよね!

佐藤)あとすごく個人的な話になりますが、毎年映画祭をやって、それに向けて僕も1本ずつ作品を作っていきたいですね。

ーいいですね!すごく素敵な計画です!

佐藤)森の映画祭は、コンペティションを絶対入れないつもりなんです。

内部、外部に関わらず、たくさんの人からコンペティションをしたり、グランプリを決めたりすれば盛り上がるよという意見があったんですけど、そういうことは絶対にしたくないと思いました。

純粋に今、映画を撮っている自主映画の監督って、いろんな映画祭に出品して肩書きを得ることが基本だと思っている方が多いと思うんです。

でもそうじゃないなって。例えばどこかの映画祭で受賞してしまうと、その権利は映画祭側に取られてしまうから、自分が見せたいときに見せられないし、上映会もできないということもあるんですよね。

自分の作品なのに制限があるなんてなんだか違う気がしていて。

純粋に自分の作品を色んな人にみてもらう、というイベントを目指していきたいんです。純粋な映画のお披露目場で映画との出会い、人との出会いが生まれるような空間にしたいです。

ー目的がぶれないようにブランディングされているんですね。

佐藤)それはかなり考えてますね!なんでも取り入れると芯が無くなってしまうので、ずっと変えるつもりはないです。

嬉しいお話も頂いているんですけど。商業的なイベントになりすぎてしまうと、せっかくゼロベースで築き上げてきたものが崩れてしまう。

もちろんイベントを良くするためにある程度資金も必要なんですが、やはりせっかくゼロから作ったものが別の方向を向いてしまうのは…そこはずっと守り続けたい砦でもあります。

映画祭が開始されると佐藤さんの構想通り、夜の森を探検するようなワクワク感満載。

森の中にいることで、自分の体ごと物語に入ってしまったようなふわふわとした不思議な体感がありました。

映画を観終わった後の感想の言い合いも、暗くてお互いの顔が見れなかったこともあり、普段以上に盛り上がったのではないでしょうか?

佐藤さん、たくさんお話をお聞かせいただきありがとうございました!第二回森の映画祭の開催や今後のご活躍を楽しみにしています!

moriin

▲森の映画祭代表・佐藤大輔さん(左)今回プロジェクトを担当したキュレーター・梅本(右)

(Last Update:2016年9月11日)