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【光畑由佳さんに聞く】授乳服があれば、子育てはもっと楽しめる!

September 14, 2016

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【光畑由佳さんに聞く】授乳服があれば、子育てはもっと楽しめる!

「授乳服があれば 子育てはもっと楽しめる」ということを、小さな子どもたちにも知ってもらいたい。
そんな想いでスタートしたのが、『子どもの頃から母乳育児を当たり前に〜子ども用授乳服製作プロジェクト〜』。

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こちらを立ち上げたのは、授乳服のパイオニアとして、授乳服の製作販売を18年間続けている「モーハウス」。
今回は、モーハウス代表取締役の光畑由佳さんにお話をうかがいます。

通勤電車で困った体験が、はじまりでした

ー授乳服や、それを使った様々なソーシャルアクション。美術館での授乳ショー、青山での子連れ出勤など、光畑さんはかなりとがった活動をされている印象があります。世のお母さんとは違った面白さや、斬新さを感じます。
光畑:私がこの仕事を始めたのは、「通勤電車内での授乳に困った」という体験がきっかけです。周囲のお母さんに聞いてみると、授乳期間の外出や母乳育児を諦めてしまう方が多いこともわかったんです。

▲光畑由佳さん

▲光畑由佳さん

ー最近は、電車やレストランでも子ども連れの方を見かけることが増えました。でも、子連れでの外出や授乳が批判され、ネットをにぎわすことは今でもありますよね。
光畑:そういう時のネットでの議論は、極論になりがちです。「子どもはどんなに騒いでも仕方がない」とか「どこででも胸を出しても仕方がない」という反論になってしまうのは、ちょっと極端すぎると思います。
私は、その両極ではなく、「もうひとつの答えがあるかも」と工夫するほうが好きです。それがモーハウスが生まれたきっかけです。

ー子育て中のお出かけに制限がなくなるなんて、すごいツールですよね。悩んでいる方はとても多いと思いますし、お仕事は順調だったのでは?
光畑:いえ、実はその逆でした。私自身は、「多くのお母さんの生き方が変わるはず!」とまで思って授乳服を作ったので、みんなが喜んでくれると思っていたのですが……。実際は、多くのママたちから、「いらない」と拒否されたんです。「子どもが小さいうちはお金がかかるし、自分が我慢すればいいことだから要らないわ」と。
でも、私が授乳服を着たときに感じたのは、大きな開放感でした。その時に初めて、「子どもがいるから」と今までいろんなことを我慢していたことに気が付いたんです。

ーお母さんたちが皆、「自分が我慢すればいい」とおっしゃったのと通じますね。
光畑:なぜかお母さんになったと思った途端に、まるで魔法にかけられたように「我慢しよう」というマインドになってしまう。そしてその制限に自分でも気が付かない。
たとえば、携帯電話もそうですよね。発売された当初は、「家に電話があるのだから売れるわけない」と言われていました。出かけた時に連絡が取れない不便さに、それまで気が付いていなかったんです。

ー今携帯を忘れると、一日どころか1時間でさえ困りますよね。これまでに社会にないものを作ると、最初は受け入れられないのかもしれません。でも、持つことで、生活が変わる。
光畑:授乳服を愛用されている方も、よくそうおっしゃいます。「赤ちゃんが母乳をほしがったらどうしよう」という不安がなくなり、着ていると本当に安心できる。背中を押されるように外に出ていけるって。

ママこそ楽に、キレイになるツールを

ー「子ども用授乳服」はプレゼントにもおすすめとされていますが、「母乳が出なかったらどうしよう」と思う人もいらっしゃるのでは?
光畑:そうですね。病気治療などの事情で母乳を与えることができない方や、最初からミルクを希望される方もいらっしゃいます。
でも、日本は「母乳育児にしたい」と思う女性がとても多く、9割以上の妊婦さんが母乳育児を希望されているというデータがあります。今回提案している子ども用授乳服は、ママとおそろいのデザインで仕立てる予定ですが、マタニティ兼用なんです。ベビーシャワーとして贈り物にされたら、すぐ着ていただくこともできます。

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ー上のお子さんとママのお揃いにもできるんですね。
光畑:「授乳服をプレゼント」というのは、なかなか思いつかないチョイスかと思います。
出産祝いというと、ベビーのものばかりになりがちなんです。これも「自分のことは後回し」という引き金になっているのかもしれません。でも、「一番がんばったのはママ自身。ママこそ楽に、キレイになるツールを」と、授乳服を贈られた方はとても喜ばれるそうです。「ラクで楽しんでいいんだ!」と。子育て=辛い、大変、という思い込みを無くしたい思っています。

ーおままごと道具に哺乳瓶はあっても、母乳育児をするツールは売っていないんですね。
光畑:今の時代、人前での授乳は非常に抵抗があり難しい。でも、子どもの頃から「授乳のときには、授乳服を使うとラク」というのを知ってほしい。母乳が出る・出ないを気にしない、子どもの頃に知ってもらうことがとても大切だと思います。
ほ乳瓶のおもちゃの販売を禁止するのではなく、「母乳育児ごっこの後押し」というもう一つの選択肢を提案するのが私たちらしいかなと思っています。

母乳育児と哺乳瓶

ー母乳育児を推進する光畑さんですが、「哺乳瓶許すまじ」という感じではないんですね。
光畑:私も第1子はミルクで育てていますし、第2子も初期は母乳で苦労しています。
母乳について健康上のメリットが報告され、科学的なエビデンスもあります。でも、それは、子どもの長い人生の中ではほんの少しの影響だと思うんです。実際、ミルクで育った長女も私も至って健康です。
私が母乳を薦めるのは、お母さんが「楽」で「お得」だから、というだけのこと。赤ちゃんには関係ないことなのです。

ー母乳が出なかった方も「ミルクでも育つ」というのはご存知だと思うのですが。
光畑:実はそう簡単ではなく、「母乳で育てたかった」という思いがある方への配慮のために母乳育児の環境や情報を広く伝えようとするのを避ける風土が日本にはあります。また、子どもが育つ環境の中で、子育てや母乳育児を目の当たりにしている子どもって本当に少数なんです。

クラウドファンディングへの挑戦

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ーこれは何をしている写真ですか?
光畑:私たちスタッフの子どもたちです。赤ちゃんを抱っこして母乳を与えつつ、お仕事ごっこをしているんです。
この子は、お母さんと一緒に会社に来て、皆が母乳で育てながら仕事をしている姿を見て育ちました。
今、大学で聞いても「子育ては大変そう」という学生がほとんどです。でもこの子は母乳で育てながら仕事をすることは、自然なことだと思っていると思います。

ー私自身も、子育ては大変なのでは、という気持ちが、今日一日で変わりました。こんな子が増えていくといいなあと心から思います。
クラウドファンディングは、いろいろなアイデアに実際に対価を払うことで参加し、活動を応援する、という活動。そういう意味では、ぜひ多くの方に支援していただきたいですね。今日はありがとうございました。

子どもの頃から母乳育児を当たり前に〜子ども用授乳服製作プロジェクト〜』の支援募集終了は、2016年9月18日(金)23時59分。

「授乳服があれば 子育てはもっと楽しめる」ということを、小さな子どもたちにも知ってもらう一歩に。

光畑由佳(モーハウス代表取締役)

倉敷出身。お茶の水大学卒。美術企画、建築関係の編集者を経て、1997年、自身の電車内での授乳体験をきっかけに、産後の新しいライフスタイルを提案する「モーハウス」の活動を開始。

社会と子育てをつなぐ環境づくりのため、授乳服の存在を国内に広めてきた。同時に自社で実践する「子連れワークスタイル」は古くて新しいワークスタイルとして国内外から注目され、女性のチャレンジ賞など受賞歴多数。ネパールでの女性の仕事の創出、乳がんを含むユニバーサルデザインブラの開発等に取り組んでいる。

「暮らしの質向上検討会」など政府関係の有識者会議委員ほか、2014年に北京で、2016年にペルーで開催された「APEC女性と経済フォーラム」に参加。ゲストスピーカー(2014年)、APEC AWARD(2016年)での発表を果たした。

内閣府男女共同参画担当大臣表彰(女性のチャレンジ賞)審査員。中小企業経営支援分科会委員。茨城県ユニセフ協会評議員。茨城県行財政改革推進懇談会委員。つくば市行政経営懇談会委員。茨城大学社会連携センター特命教授。筑波大学大学院非常勤講師。