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パンク・レジェンドの素顔に迫る音楽ドキュメンタリー『あっちゃん』|アツシ、ナボ(ニューロティカ)+ナリオ監督

April 1, 2015

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パンク・レジェンドの素顔に迫る音楽ドキュメンタリー『あっちゃん』|アツシ、ナボ(ニューロティカ)+ナリオ監督

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とても人間くさい。真っ直ぐで、変にカッコつけたところがなくて、ちょっと哀愁も漂っていて……まるで彼らの楽曲そのものじゃないか。ニューロティカの30周年記念ドキュメンタリー映画『あっちゃん』を観てまっ先に浮かんだのは、そんな感想だった。

1984年の結成からずっと日本のパンクシーンを突っ走ってきた、言わずと知れた伝説のバンド。多くのミュージシャンから絶大なリスペクトを受け、音楽以外の分野でも、さまざまな表現者に勇気を与えてきた(例えば脚本家の宮藤官九郎もその1人)。ただし、いわゆる“メジャーなアーティスト”では決してない。事務所には所属せず、メンバーはみな仕事をしながらバンドを続けている。2003年に自社レーベルを設立してからは、CD制作からライブのブッキング、会場での物販まで、すべて自分たちで行ってきた。この映画もメンバー自らクラウドファンディングで資金を募って制作されている。まさにパンクならではの“DIYスピリット”に貫かれた作品なのだ。

それもあって本作は、優れた音楽ドキュメンタリーであると同時に、バンドという運命共同体をめぐる人間ドラマとして豊かな陰影を帯びることとなった。主人公は、八王子で家業のお菓子屋を営みながら30年間バンドを続けているフロントマンの“あっちゃん”。80年代のバンドブームから悪戦苦闘の90年代を経て現在に至るまで、なぜニューロティカは走り続けてこられたのか──。 ナリオ監督はあっちゃん本人の日常に入り込み、周囲の証言を丁寧に集めて、自分なりの答えを見つけようとする。そしてその旅はやがて、観客の胸の中で「人が好きなことを続けていくのって、どういうことなんだろう」という問いと重なっていくだろう。そこにこそ単なるバンド・ヒストリーものを超えた、この映画の魅力が宿っている。

それぞれの思いは、CAMPFIREのクラウドファンディングでどう具現化されたのか。あっちゃんことヴォーカルの井上篤、プロデューサーを務めたドラムのナボ、監督のナリオに制作の舞台裏を伺った。

 

ニューロティカのファンだけが楽しめる回顧ものじゃなく、

30年もバンドを続けてる1人の男の生き方を描いてみたかった

 

ーまずは映画をご覧になった感想から教えていただけますか。

アツシ(ボーカル) 正直に話しますと、僕、編集にはまったく関わっていなくて。試写で初めて観たんです。なので恥ずかしかったりボーッとしてたりで……実はほとんど覚えてない(笑)。すみません。

ナボ(ドラム) はははは、そうなんだ。

アツシ いろんな人が僕のこと持ち上げてくれるのは嬉しいんだけど、実感がないっていうか……「これ、ほんとにオレの話?」とかって、呟きながら観てました。あ、でも、デビュー当時の給料事情とか、自分には当たり前だったことに「へぇ、そうだったんだ!」みたいなリアクションが多かったのは新鮮でしたね。ほら、バンドブームのウラ舞台っていうの?

ナボ ウラ舞台? 舞台裏でしょ(笑)。

アツシ そうそう、それ!

 

お金の話、映画の中で相当リアルに語ってましたもんね。たしか月給ウン万円からスタートして。

アツシ 試写を観てくれたちわきまゆみさんに「私はウン万円だったから、あっちゃんより上ね!」って言われたんですよ。なので、「いや、うちはメンバー5人だったから、合計額ならうちの勝ちだ」って言い返してやりました。

 

ドラムのナボさんは今回、映画制作プロジェクトの言い出しっぺとして、プロデューサーも務められました。

ナボ はい。ただ、実のところ僕も、あっちゃんと同じで撮った素材すべてを観たわけじゃないんですよ。編集過程の後半からはナリオ監督といろいろ話し合って意見も出しましたけど、基本はお任せ。クラウドファンディングで支援してくれた人に恥ずかしくない内容にしようと、それだけ考えてましたね。あとは、自分が知ってるあっちゃんの人となりがちゃんと映っていればいいんじゃないかと。変に飾った感じじゃなくてね。

 

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▲ナボ(ニューロティカ)

 

たしかに本作は、2014年の「結成30周年」の流れで持ち上がった企画ですが、ファン向けのヒストリー回顧には終わってないところが面白いですね。1つの出来事を伝えるにしても、いろんな視点だったり、微妙に異なる見解が巧みに配置されていて。アツシさんの送ってきたバンド人生が重層的に浮かび上がってくる。単なる“いい人”ではないというか。

ナボ そこはもう、監督の腕です。

ナリオ監督 共通してるのは、出演者がみんな口を揃えて、あっちゃんのことを「歌は下手だね」「歌が下手だ」って言ってることくらい。あっちゃんが思ったほど持ち上げてないから、舞い上がらなくても大丈夫ですよ(笑)。

アツシ はははは、そっか。

ナボ ナリオは昔からの知り合いで、付き合いも長いしね。あっちゃんは意外にシャイだし、例えば有名監督さんを引っ張ってきても絶対うまく行かないと分かってましたから。あっちゃんの素顔を切り取れて、しかもちゃんと作品に仕上げられるのは彼しかいないだろうなと。

 

どのくらいの付き合いなんですか?

ナリオ監督 もう20年くらいですかね。僕が映像をやり始める前から、ライブに通っていて。打ち上げに呼んでもらったりしていたんです。この仕事に入ってからは、ニューロティカの楽曲をモチーフに『東京花火』(2004年)という短篇映画を撮ったり。あとはナボさんプロデュース、まちゃまちゃ主演の『記憶という名のバスと真冬のリディム』(2009年、オムニバス映画『女子女子OVER8』の1本)が海外の映画祭に呼ばれたり。いつの間にか自分の人生にとってかけがえのない存在になってました。なので今回の仕事も、運命だったのかなという気はします。

 

なるほど。でもその一方でドキュメンタリー作家としては、ニューロティカという対象をわりと突き放して撮ってる気配もありました。

ナリオ監督 ファン向けの内容にしないってことは、最初からすごく意識していました。映画というからには、ただ新旧のライブ映像をつなぎあわせただけじゃなくて、そこに1つ筋の通った「物語」がなきゃいけないと思うんです。それにはさっきナボさんも話したように、井上篤という1人の人間の生き方というか、魅力を伝える作品にしたかった。もちろん「あっちゃんの人生=ニューロティカの歴史」だとも言えるので、バンドのヒストリーが軸にはなるんですけど。ナボさんのアドバイスもあって、編集をしながらお菓子屋の若旦那としての日常パートをどんどん増やしていったり……。

ナボ また、僕らから見てもそこが面白いんだよね。

ナリオ監督 そうなんです。思いきった言い方をするなら、ファンの人たちが観てくれるのはもう大前提で(笑)。むしろそれ以外の、「ニューロティカ? 名前だけは聞いたことある」という人や、「あっちゃん? あぁ、あのピエロの扮装したオジサンね」という人だったり。あるいはバンドブームは直接知らないけれど、氣志團の翔やん(綾小路翔)やクドカン(宮藤官九郎)さんがリスペクトしているバンドとして認識している若い人だったり……。純粋に人間を描くことで、そういうニューロティカ・ビギナーにも楽しんでもらえる映画にしたいという気持ちは大きかったですね。

 

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▲ナリオ監督

 

やりたいことをやるためには、面倒な日常もついてくる

そういう部分はみんな同じなんじゃないかな

 

人間として描かれてみて、どんな心持ちでした?

アツシ うーん……やっぱ自分じゃよく分かんないですね(笑)。ただ、少しだけ思ったのは、たまにライブのリハで地元の練習スタジオに入ったりするでしょ。そうすると友だちのバンドと一緒になったりするんですよ。もちろん、みんな仕事持ってて。作業着で集まって、演奏して。終わったらちょっとビールとか飲んで、「じゃ、また来週」って帰っていく。で、僕らがやってることも、基本的にはそれと変わらないと思うんですよ。ただまぁ世間的には、僕の方がちょこっと……人気者? ですから(笑)。

ナボ ですから(笑)。

アツシ 30年間続いてるバンドって、実際はこんな感じなんだよって。夢を追い続けるとか言うと、ちょっと大袈裟ですけど。でも僕自身、やりたいことをやるために、いろいろ面倒なこともやって生活を維持してるところは大きいので。それを隠さず、いろんな人に見てもらえるのは良いことなのかなって。やってることはみんなと同じ。それはちょっと思いましたね。

ナボ うん、たしかにそうだよね。ただ、バンドメンバー兼、本作のプロデューサーとしてひとこと付け加えると、あっちゃんの場合はその密度が半端じゃないんですよ。朝の5時半から問屋さんまでお菓子の仕入れに行って、商品の陳列をして、お客さんの相手もして。で、ライブのブッキングやバンド運営のことも誰より考えてる。映画にも出てきますが、僕らは事務所に所属してないので、何から何まで自分たちでやらなきゃいけないので。なので、こんな凄い50歳がいるんだってことをみんなに伝えたいと思ったのが、僕の中では映画プロジェクトの始まりだったんです。

 

たしかに「情熱」と「お金」は、バンドを続けていく上での両輪みたいなもんですからね。監督が細かくギャランティーのことを掘り下げていくのも、そういう意図があったのでは?

ナリオ監督 はい。そこを外すとリアリティーがないというか……僕も含めてみんな、一番知りたいところじゃないかなと。「バンドブームの頃はどんなバブリーな生活送ってたんだろう」みたいな単純な興味も含めて。ふたを開けてみたら、思ってたのとは全然違ったんですけど(笑)。あっちゃんは、あまり触れてほしくなかったかもしれないけれど。

アツシ いや、大丈夫だよ。全然。

ナボ 映画では言ってない話も、まだまだあるけどね。あそこのライブハウスはまともにギャラを払わない、許さねぇぞ! とか(笑)。

アツシ でも、JASRACに噛みついたところは使われてたでしょ。さすがに編集でカットするかなと思ったら、試写観てびっくりしました。「マジかよ、ナリオの奴、そのまま使ってやがる」って(笑)。

 

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▲アツシ(ニューロティカ)

 

監督は撮りながら、「この映画はどこに向かっているんだろう」と迷ったりはしませんでしたか?

ナリオ監督 悩んだ時期もありましたね。もちろん「あっちゃんが30年もニューロティカを続けてこられた秘密に迫る」という根本テーマ自体は、撮影に入る前から何となく決めていました。ただ、あっちゃん本人にインタビューを重ねても、あるいは周辺の人たちに話を聞いても、明確な答えがなかなか見えてこないんですね。自分の中で、はたしてこの映画の着地点はどこなんだろうと揺れながら撮ってる感覚がずっと続いていた。でもクランクアップ直前の、何回目かのインタビューで、あっちゃんが「実は誰にも言ってないことがあるんだ」って泥酔しながら話してくれて。あの夜、この映画は間違いないものになったってやっと確信できました。

 

心にグッとくるシーンでしたね。アツシさんはそうとう飲んでる感じでしたが(笑)。

アツシ ははは、すいません、すいません。

ナボ 途中から何を言ってるかよく聞きとれないしね(笑)。

アツシ 自分ではあんまり憶えてないんだよなぁ(笑)。

 

便利さに甘えると、必ずしっぺ返しがあると思う

怖さとかプレッシャーの感覚はやっぱり忘れちゃいけない

 

ところで、映画を制作するにあたりなぜクラウドファンディングで資金を募ろうと決めたのでしょう?

ナボ これまでニューロティカのライブDVDなんかは基本、編集からすべて僕が手がけて、メンバーで手売りしてきたんですね。なので今回のドキュメンタリーも最初は、物販用にDVDにするつもりだったんです。ただ、それだと結局、ファン限定になっちゃうでしょう。せっかく30周年だし、あっちゃんが50歳になる節目のタイミングでもあるし。もう少し広がりがほしい。

 

■ニューロティカ結成30周年記念ドキュメンタリー映画 『あっちゃん』制作計画

http://camp-fire.jp/projects/view/989

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だったら劇場でかけられた方がいいと。

ナボ そう。映画にすればいろんな人に観てもらえるし、最近のリスナーだけじゃなく昔からのファンも応援してくれるんじゃないかと。で、milktubというバンドをやってる友人のbambooに相談してみたんです。ちょうどその1年ほど前、彼は自分が主宰するライブイベントをDVD化する資金をCAMPFIREのクラウドファンディングで募り、成功させていたので。で、話を聞いてみると、「そういう趣旨ならCAMPFIREがぴったりだと思うよ。音楽とか映画のクリエイティブ系には特に強いから」と教えてもらって。

 

そこからプロジェクトが転がり出したわけですね。アツシさんは最初、ナボさんの提案をどう思われました?

アツシ 正直、戸惑いました。映画の中でも話したかもしれないけど、僕、人からお金を借りるのがすごく苦手で……。「今までやったことないし、やめてほしい」って言ったんですよ、実を言うと。

ナボ あっちゃん、最初はクラウドファンディングの仕組み自体をよく分かってなかったしね。そもそも借金とは違って、まずこちらがいろんなリターンを提示して、納得したパトロンの方に支援してもらうこととか。期間内に目標額を達成できないと、そもそもプロジェクトが成立しないとか……。

アツシ 説明されて、「あ、なるほど」と思いました。「僕らはこういうことをやりたいので、応援してくれる方、集まってください。実現した暁にはこういうお返しをいたします」って、意外にシンプルな仕組みだなと。まぁ、興奮してリターンの種類を考えすぎて、後が大変なことになってますけど。

 

ー500円から20万円まで、7コースもありますもんね。内容も「あっちゃんの実家で売っているお菓子の詰め合わせをお届け」から「ニューロティカと行く八王子グルメツアーへご招待」まで、めちゃくちゃ幅広い。

ナボ 考えるのはすっごく楽しかったんですよ。このミーティングだけで3、4回はやったと思います。ただ、こんなオッサンたちの映画にほんとに資金が集まるのか、当初は半信半疑のところもありまして……。「あれも付けた方がいい」「こんな特典もないとダメじゃないか」と考えすぎてしまって、正直、そこにかかる具体的コストまで頭が回ってなかった(笑)。本来ならこの時点で、映画制作費や宣伝配給費なんかとのバランスを、もっと細かく計算しなきゃいけないんでしょうけれど……。

アツシ 盛り上がっちゃったんだねぇ、自分たちの中で。お菓子の詰め合わせはいつも実家で作ってるから、別に苦にならないんですけどね(笑)。

 

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ーでもフタを開けてみたら、公開からたった10日で当初の目標金額だった375万円をクリア。最終的な支援総額は940万3669円に達しました。これは当時、日本のクラウドファンディング史上、自主映画では最高額。CAMPFIRE全体で見ても第2位だったそうですが……。

アツシ これはもう、本当に嬉しかったですね。CDデビュー以来、2度目の天下を獲った気分で。募集を締め切った日の夜は、1人で祝杯をあげました。支援者のお名前を眺めながら、「やっぱ俺、人気あんじゃん」ってニヤニヤしたりして(笑)。ただ、翌日からはプレッシャーも凄かったですけど。

ナボ 通常のCDやDVDだと、お客さんは完成した作品に対してお金を払ってくれるわけですよね。でもクラウドファンディングの場合、いわば僕らを信用して、出来上がる前から応援してくれている。だからこそ一層期待を裏切れないし、パトロンの方々の書き込みを読ませてもらうとやっぱり背筋が伸びる。便利だからって安直に考えると、必ずしっぺ返しがあると思う。プレッシャーというか怖さの感覚は、やっぱり忘れちゃいけないなと。

アツシ その意味では、ナリオがパトロン代表になってくれた気がしますね。観る人の気持ちになって、何度も何度も編集をやり直してくれた。

ナボ まぁ考えてみれば、少し前まではこういう資金調達の仕組みそのものが存在しなかったわけで。しかもここ数年でクラウドファンディングの認知度も上がり、しっかりした内容のプロジェクトにはちゃんと賛同者が付いてくれるわけじゃないですか。僕らみたいなインディペンデントなバンドにとっては、ありがたいことですよね。いい時代になったなと(笑)。

アツシ ニューロティカは開拓していきますねえ。いろんな時代の、いろんな手法を(笑)。

ナボ はははは……偉大ですねっ!

アツシ そうですねっ!

 

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支えてくれた人への恩返しの旅は、まだ始まったばかり

これからも僕ら、バカやってきますんでどうぞよろしく!

 

ーパトロンを募集するにあたり、特に意識したことはありましたか?

ナボ クラウドファンディングのページを作っていく上でどんなアピールをすると効果的かについても、bambooがいろいろ助言してくれて。これはすごく役立ちました。クラウドファンディングのページの作り方ひとつとっても、ただ概要を説明するだけじゃなくて「なぜ自分たちはこれを作りたいのか」「どういう作品を残したいのか」という熱がちゃんと伝わらなきゃダメだよって。

 

ーキックオフの段階で、アツシさん本人のコメント映像と仮の予告編を出したのもよかったですね。あれを観たら、続きが絶対観たくなる(笑)。

ナリオ監督 そうですね。今回CAMPFIREを使ってみて、映像の大切さは改めて痛感しました。テキストできちっと情報を押さえるのはもちろん大事だけど、その人の口調や表情から伝わる本気度って、やっぱり大きいじゃないですか。なので1〜2週間に1度は必ずあっちゃん本人に出てもらって。「今、こういう状態です」とか「もう少しでサクセスしそうです」みたいな近況報告的なメッセージをコンスタントに届けることは、常に心掛けるようにしました。

アツシ いろいろやったよね。最後の追い込み時期には、ピエロ姿で街頭演説したり。通りの向こう側から、怖そうなオニイサンがこっち見てて……あれはけっこう怖かった(笑)。

ナリオ監督 あっちゃんはいつも、僕に「原稿を書いてくれ」って言うんですよ。でも、すみません、これは書けないです、と。

アツシ こういう場合、芸能人ならフツーもらえるの!(笑)。でもそこは監督が、「あっちゃんが支援者の方にどうしてほしいのか、自分の言葉で伝えてください」と譲ってくれませんでした。

 

 

ーただニューロティカの場合、インディペンデントなバンドとして、これまでも直接ファンと向き合ってきた歴史があるわけですよね。映画にも詳しく描かれていますが、ブッキングから物販、機材の搬入・搬出まで、基本的にはすべて自分たちでやってきた。その意味ではクラウドファンディングも、あまり変わらない部分もあったのでは?

アツシ うん、それはそうかも。手段がネット経由になっただけで、やってることは地続きかもしれないね。たしかに、CAMPFIREのおかげで映画を作るプロセスを皆さんと一緒に楽しめた実感はあります。例えば試写でも、一番最初はマスコミ関係者じゃなくパトロンの人たちと並んで観たり。こういう経験はクラウドファンディングじゃないとできなかったと思います。

 

ー2月にはこれもCAMPFIREで、「セクシー女優の川上奈々美さんがニューロティカとコラボし、CDソロデビューを目指す」というプロジェクトも立ち上がりました。これも立案から2週間でサクセスしし、無事スタートが切れる運びとなりましたが、どんな仕上がりになりそうですか?

アツシ 奈々美ちゃん、すごい喜んでましたよ。支援しくれたファンの人たちのおかげで、念願のCDリリースができるって。

ナボ 作詞があっちゃん、作曲がドラムのカタルで。アイドルとのコラボでは僕ら、2009年にメロン記念日と「ピンチはチャンス バカになろうぜ!」って曲を作ってますが、それに勝るとも劣らない名曲です(笑)。奈々美ちゃん、とにかく歌がめちゃめちゃうまくて。聴いたら惚れ直しますよ。

アツシ 僕は今回、合いの手だけですけど。可愛いし、性格もすっごくいいしね。何しろ、ニューロティカの大ファンだっていうのが嬉しい(笑)。

ナボ すでに何度かスタジオにも入ってみたんですが、曲調も「これぞニューロティカ!」って感じだしね。あとは僕らの過去のレパートリーをボサノヴァ調にアレンジして歌ってたりもして。これがまた素敵なんですよ。完成したらぜひ聴いてほしいですね。

 

■川上奈々美3周年!CDデビュープロジェクト!!~みんな、わたしの夢を叶えさせて~

http://camp-fire.jp/projects/view/1446

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ー4月18日からはいよいよ公開ですね。資金がたくさん集まったおかげで、当初予定していた単館から配給規模も広がり、東京・大阪・愛知・福岡・京都・広島での上映が決まっています。

ナリオ監督 映画は完成したところで、ようやくスタートラインなので。これからですよね。1人でも多くの人にニューロティカというバンド、あっちゃんという人の魅力が届いてほしいなと。

ナボ 僕らみたいに大して売れてもないバンドが、映画を作ろうなんて無茶な夢を抱いて。CAMPFIREというサイトと支えてくれた皆さんのおかげで、実際に完成まで漕ぎつけられた。この時代、やりたいことがあって本気になって頑張ればいろんな手段が可能だという、1つの証になれたかなと。

ナリオ監督 ファン以外の方が観ても、きっと面白がってもらえる作品になったと自負しております。なので支えてくださった人は、映画『あっちゃん』のパトロンであることを、胸を張って言ってください(笑)。

アツシ (小声で)あ、それ、最後の締めでオレが言おうと思ってたのに……でもまぁ、こんなロックバンドがあってこんな50歳独身男もいるって知ってもらえれば本望だなと思ってます(笑)。そして僕的には、これまで支えてきてくれた皆さんに、恩返しの旅がまだまだ続くのかなと。映画を観て、改めてそう思いました。まだまだバカやりますんで。どうぞよろしく、です(笑)。

 

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【『あっちゃん』作品情報】

監督・編集・撮影:ナリオ
主演:イノウエアツシ
出演:歴代ニューロティカメンバー(修豚、JACKie、SHON、アキオ、カタル、ナボ、シズヲ、RYO、James) / 蒼井そら / 綾小路翔(氣志團) / 石坂マサヨ(ロリータ18号) / 大槻ケンヂ(筋肉少女帯) / 北島健司(U.K.PROJECT) / 宮藤官九郎 / GEN(THE GELUGUGU) / サトパー(30%LESS FAT) / SHOGO(175R) / ターシ(LONESOME DOVE WOODROWS) / ハチミツ二郎(東京ダイナマイト) / bamboo(milktub) / HIKAGE(THE STAR CLUB) / PON(LAUGHIN’NOSE) / 増子直純(怒髪天) / まちゃまちゃ / 宮田和弥(JUN SKY WALKER(S)) / 矢沢洋子 / RYOJI(POTSHOT) / 井上綾子 他

 

制作:東京想舎|製作:NRオフィス / あっちゃん製作委員会
配給:日販|宣伝:ビーズインターナショナル|2015年|日本|103分|2ch|16:9|カラー|デジタル|©あっちゃん製作委員会

 

【『あっちゃん』劇場情報】

[東京]
公開日:2015年4月18日(土)〜5月9日(金)
会場:渋谷HUMAXシネマ
[大阪]
公開日:2015年4月18日(土)〜5月1日(金)
会場:シネマート心斎橋
[愛知]
公開日:2015年5月2日(金)〜5月15日(金)
会場:名古屋シネマテーク
[福岡]
公開日:2015年5月9日(土)〜5月22日(金)
会場:中洲大洋映画劇場
[東京]
公開日:2015年5月23日(土)〜6月12日(金)
会場:ニュー八王子シネマ
[京都]
公開日:未定
会場:立誠シネマ
[広島]
公開日:未定
会場:横川シネマ
※3月14日より、前売り(2種類のピクチャーチケット)発売開始。ニューロティカの物販、WEB SHOPでも販売中。
http://www.acchan-movie.com/