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昼寝も部活もこたつもOK!池袋の本屋「天狼院書店」ってどんな場所?

May 20, 2015

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昼寝も部活もこたつもOK!池袋の本屋「天狼院書店」ってどんな場所?

昼寝ができる!部活がある!こたつがある!映画と演劇を同時上映!…これ、何のことだか分かりますか?

聞いて驚くことなかれ。これらは全て、池袋にある本屋「天狼院書店」のことです。

ネットで本が買える今の時代でもわざわざ足を運びたくなるお店。その人気の理由は何なのか。謎を解き明かしに、実際にお店へ行ってきました!

熱狂的に語ろう!日曜朝9時の読書会

四方が窓に囲まれた明るい店内に一歩足を踏み入れると、楽しそうな声が聞こえてきました。

どうやら、毎週日曜日の朝9時から行われている「ファナティック読書会」が始まったところのようです。このイベントでは、お客様がテーマに沿った本を持ち寄り、ファナティック…つまりは”熱狂的に”その本の魅力を語ります。

今回のテーマは「家族」。ある方は登場人物を人気アニメキャラクターに例えてみたり、ある方は作品の内容を問題にしてみたり。

「その本を読んだことが無い人でも読みたくなる」、そんな工夫を凝らした紹介が続きます。

また、「その展開は別の◯◯という作品を彷彿とさせるね」という意見が周囲から飛び出すなど、日曜日の朝9時とは思えないほどの熱気と活気。まさに、読書好きによる読書好きのための会!

そして、こちらのイベントはニコニコ動画での生中継も行っているので、「◯◯という本もおすすめだよ」と画面の中からコメントが飛んでくることも。そして、おすすめされた本をその場で用意できるところも、書店で開催しているイベントならではですね。

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▲「家族」をテーマに集められた今回の8冊

そんなファナティック読書会のテーマは、「結婚したくなる本」「どんでん返し本」「本を読まない人にすすめたい本」など毎回個性豊かです。

また、初めて天狼院書店を訪れた私も参加したくなるほど溶け込みやすい雰囲気!お一人で参加しているお客様も多かったので、「興味はあるけれど…」という方は、臆せずぜひ一度参加することをおすすめします。

こたつがあり、お昼寝もできるって本当?

そして、ファナティック読書会の会場としてみんながくつろいでいた場所…それってもしかして、噂のこたつ?早速スタッフにお話を伺ってみました。

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ーあそこに見えるのは、もしかして噂の…

スタッフ)はい、あちらが名物となっているこたつです。皆さん大変くつろいでいらっしゃいますね。

ーその他にも映画と演劇を同時上映、部活がある、昼寝ができる…と聞いたのですが、こちらも全て本当ですか?

スタッフ)はい、全て本当です!映画と演劇は3月に上演しました。好評だったため、第二回開催も決定しています。

ー人気の部活は何ですか?
スタッフ)フォト部、映画部、雑誌編集部に特に人気があります。また、「映画好きが映画部に」というように、それぞれのテーマを好きなスタッフがマネージャーとして各部活に付きます。

最近では、新たに「旅部」もできて、お客様もひっくるめて5月30日には江ノ島に修学旅行に行くんですよ!スタッフとお客様の距離が近いことも当店の特徴だと思います。

ー昼寝サービスはどういう方が利用していますか?

スタッフ)昼寝サービスは「天狼院堕落庵」と呼ばれています。こちらはサラリーマンで少し休憩される方が多いです。

300円+ワンドリンクで最大30分寝ることができます。少しお疲れの時にもぜひ立ち寄っていただきたいのが天狼院書店です。

ー天狼院書店全体としてはどういったお客様が多いですか?

スタッフ)性別は、男女半々くらいです。年代も大学生から50代までと実に幅広いです。

確かに、天井近くまでぎっしりと本が並んだ店内は、世代を問わず愛されそう!本と本の間にミニチュア模型が置いてあるなど、立体的な配置は見ているだけでワクワクします!

また、店員とお客様が一つのこたつに入って会話できる書店は全国を探しても他には無さそう。「お客様側から店員に本のお勧めをする」という珍しい光景も見掛けました。

そして、特集コーナーも目を引きます。私が来店した際に行われていたのは「はじめての読書体験」特集。『ぐりとぐら』『スイミー』『エルマーのぼうけん』など、手に取りパラパラとページをめくりたくなる懐かしい絵本が並んでいます。

また、その隣には「目覚めよ乙女、白馬にまたがれ!」というインパクト大の文字。『浮世絵のおんな』『官能小説用語表現辞典』『元カレの呪縛』というタイトルからも分かるように、こちらはちょっと大人向けのコーナー。

個性的なテーマに沿った本を集めた配置は、いつもなら見逃してしまう本とも出会えるチャンスがありそう!

内容は非公開?!秘密のベールに包まれた「天狼院秘本」

店内の一角に「天狼院秘本」という気になるPOPを見付けました。そこには注意書きが3つ。

  • タイトルは秘密です
  • 返品できません
  • 他の人には明かさないでください

そう、天狼院秘本とは、ストーリーはもちろんのことタイトルから表紙に至るまで、全てが非公開の本のこと!

前評判やランキングを元に本を購入したり、立ち読みをして本を選ぶという方も多いと思います。しかし、そんな「本屋とはこういう場所」という常識を覆す試み!おもしろい!

そんな「天狼院秘本」は好評につき、ただ今第四弾を作成中とのこと。

紹介方法も販売方法も工夫が凝らされた店内は、まるでおもちゃ箱のようです。

お客様と店主が語る、「天狼院書店の魅力」

すっかり天狼院書店のトリコになった私は、他の方がなぜ天狼院を訪れているのか、その理由も聞いてみたくなりました。

ファナティック読書会でも積極的に意見を出していた30代の女性。「2014年末に初めて天狼院書店に来た」という彼女の利用頻度は「月に一度くらい」。しかし、「これからはもっと来たい」とも言います。

ーその理由は何ですか?

お客様) 「私は天狼院をただの本屋だとは思っていません。”天狼院”という、本屋を超えた新しいものだと思っています。

私はここに本を買いに来ているのではなく、イベントで刺激を受けに来ています。もしかしたら、解放されに来ているのかもしれませんね(笑)」

ー天狼院書店を訪れることは気分転換にもなっているのでしょうか?

お客様 )「気分転換…その通りです。私はここで、”21世紀初頭に何かが起きるのを目撃したい”と思っています。

天狼院に来れば何かが起きそう、日常生活とは少し違う体験が出来そうだと期待しているのだと思います。私にとっては気分転換であると同時に娯楽でもあります」

ー「21世紀初頭に何かが起きるのを目撃したい」とは、なかなかに壮大な発想ですね。しかし、それさえも期待させてくれる魅力が天狼院書店にはあるのですね。
お客様)「そうですね。一般的な書店とは全くの別物だと思って利用しています。

例えば、映画は画面から情報が出てくる一方的なコンテンツとも言えると思います。

しかし、天狼院書店では一冊の本を通して知らない人とも会話ができる。世の中に本を好きな人はこんなにもいるのに、本の話ができる場所はそんなに多くないことを私は悲しく思っていました。ここなら長年の夢が叶います。

また、”ファナティック読書会”は参加者の”本が好き”レベルが高いと思います。あるタイトルを言った時に、他の参加者みんながその本を知っている。これは他の場所ではあまりないことだと思います。

メディアだけだと会話にはなりません。”会話をさせてくれる本屋”が”天狼院書店”だと思います」

▲天狼院書店店主の三浦崇典さん

天狼院書店店主の三浦崇典さんにもお話を聞いてみます。

ー天狼院書店には多くのファンがいらっしゃるのですね。

三浦さん)はい。本当にありがとたいことだと思います。クラウドファンディングでは102名からのご支援を頂きました。

ー1万円のリターンに「プレミアムメンバー専用ロッカー3ヶ月利用権」がありました。その内容は、「出版社や著者の方は、このロッカーをそのまま販売棚としてプロモーションに使うことも可能。逆に個人の方は、中が見えなくなる扉をつけることもできる」…というもの。こちらは皆さんどのように利用されていましたか?

三浦さん)これは簡単に言うと、「天狼院の一角に自分の好きな本を並べて小さな書店を作ることができる」というものです。こちらを支援してくださった方は出版業界の方が多く、「自分の本を置きたい」とおっしゃる方が多かったことが印象的です。そして、意外なことに「扉をつけて欲しい」という方は一人もいませんでした。

こちらの「プレミアムメンバー専用ロッカー」は現在では「天狼院BOX」にその名を変え、今でも大人気の本棚となっています。(現在の詳しい様子はこちらから)本好きなら誰もが一度は憧れる「自分の書店を持つ」という夢。天狼院ならそれが叶います。

ーまた、同じくリターンの中に「小説『READING LIFE』1話の主人公になれる権利」というものもありました。こちらは、「天狼院書店がプロデュースする、売り出し中の作家・ライター西城潤が描く小説『READING LIFE』1話の主人公になれる権利。1話限りですが、あなたも小説『READING LIFE』の世界の一員となれます」というもの。小説の主人公になれるなんて!憧れます!こちらはその後どのようになりましたか?

三浦さん)こちらは4名からのご支援がありました。そして、2015年9月発売予定の『READING LIFE』に掲載することが決まっています。

ー最後に、次の目標を聞かせてください。

三浦さん)2016年3月までに「京都天狼院書店」と「福岡天狼院書店」をオープンさせることが決まっています。そして今、急ピッチで作業を進めているところです。全国で楽しんでもらえるようになることが目標ですね。

こたつがあり、映画と演劇を同時上映し、部活があり、昼寝ができる。

その正体は、既存の”本屋”の枠に収まらない新しい試みに溢れた「会話」のできる書店でした。

東京近郊の方はもちろんのこと、京都や福岡にお住まいの方もその他の方も。ぜひ「21世紀初頭に何かが起きる」その瞬間を、ここ天狼院書店で目撃してください。

【天狼院書店】

住所:東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
電話:03-6914-3618
オフィシャルサイト:http://tenro-in.com/