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見る人みんなをハッピーに!乗り物絵師・轟友宏さんの挑戦

July 8, 2015

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見る人みんなをハッピーに!乗り物絵師・轟友宏さんの挑戦

「100年後も残る作品を描きたい」ーーそう語るのは、乗り物絵師・轟友宏さん。

「100年とは、つまり3世代のこと。親から孫まで受け継がれる作品を描きたいです。『親が大切にしていたから』と子供が絵を飾ることはあるでしょう。そこから先、さらに孫の代にまで愛されるものを作れるか。これが私の課題であり夢です」

2015年4月23日〜26日にニューヨークで開催されたART EXPOに出展するプロジェクト、『車をモチーフに絵を描く、2人の異才がNYへ挑戦します!』を遠藤イヅルさんと共にサクセスしたのは今年の春のこと。

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ART EXPOから帰国した今も「この1ヶ月半の間で、日本にいたのは7日ほど」というくらい、世界中から引っ張りだこの轟さん。彼が筆とアクリル絵の具で生み出すのは、うねりのある線とPOPな色使いが特徴の唯一無二の作品。

その実力が認められ、世界最高峰ともいわれるイタリア最大のクラシックカー・イベントであるミレッミリアのミュージアムで、東洋人初の個展を開催しました。

そんな、いま勢いに乗る轟さんに、車を描き始めた理由からART EXPOの感想まで、お話しを聞いてきました。

(※今回のインタビューと撮影は、2015年6月2日〜15日に西武渋谷店で開催された『HAPPY DRIVE!』の会場にて実施。現在、展示は終了しています)

多面的に捉え、一台の車を描く

ープロジェクトのサクセスおめでとうございます。
轟友宏) ありがとうございます。

ー轟さんが絵のモチーフとして車を選んだ理由を教えてください。

轟) 子どもの頃は車やミニカーが大好きで見るたびにワクワクしていましたが、成長するにつれてその気持ちは薄れていきました。

大人になり、子どもの頃抱いていたあの熱い感情を思い出したんです。そして「三次元で感じたものを二次元で表現したい」と思ったのがきっかけです。私は電車や縁起物も描きますが、今は車をメインに描いています。

ー描く車が、膨らんでいるような立体的なフォルムをしているのはなぜですか?

轟) 多面的に捉えて描くからです。これはパブロ・ピカソが好んだ技法としても有名な「キュビズム」に近い方法で描いているからでしょうか。様々な角度から見たものを一つの画面に収める描き方をしています。

ー「多面的に捉えて描く」ためには、具体的にどのような方法を取りますか?

轟) 先ず、絵を描き始める前に、一台の車につき30〜50枚の写真を撮るんです。

そして、斜めや正面など様々な角度から見た姿を一枚のキャンバスの中に描き込んでいきます。

ー車を描くアーティストは多くいらっしゃいますが、轟さんのタッチと手法は他に類を見ません。
轟) 確かに、このような描き方をする作家は、世界でも私一人しかいませんね。また、本来は存在しない線を足していることも私の手法の特徴です。

「実在しないものを追加すると、本物らしさが失われる」と思われることもありますが、「その線があるからこそ、よりその車らしくなる」という描き方をしているんです。

シルクスクリーンと間違われるほどの高い技術力

ーPOPでカラフルな色使いが印象的です。
轟) 昔は、車の「鉄のカタマリ感」を表現したいと思い、使用する色数を制限していました。

しかし、試しに多くの色を使ってみたところ、自分が本来表現したかったことが伝わった感覚がありました。

それからは多くの色を使って表現するようになりました。今までに描いた車の絵は1,000枚以上ですが、納得のいくものが生み出せるようになったのは、600枚を超えてからですね。長かったですね。

ー多くの絵を描く中で、今のスタイルが生まれたのですね。

轟) 絵に限らず何でも、「ある程度数をこなして初めて、納得のいくものを作ることができる」と思っています。昔の作品を見ると、良くも悪くも力が入っていますね。

私の作品は全て手描きなのですが、最近ではシルクスクリーンとよく間違われるんです。アクリル絵の具を使ってここまで均一に色を塗ることができるようになったのは、手仕事を極めた結果だと自負しています。

ー確かに轟さんの作品は、近くで見ても色ムラが見付かりません。

轟) ありがとうございます。私の作品は「崩した表現」と言われることが多いのですが、そこには技術の裏付けがあって良い作品が生み出されると思っています。

また、最近では、あえて1,2ヶ所だけムラを残すなど、手仕事ならではの味を出すこともあります。これからも一点ものならではの魅力は付加したいですね。

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▲実物は写真以上に迫力があり、発色も鮮やかです

ー展示作品の選び方にもこだわりがありますか?

轟) ヨーロッパ特有の曇り空の下だとフランス車は美しく輝きます。しかし、同じ車を日本で見ても、くすんだ色に見えることがあるんです。国によって太陽の光の色が違うために、同じ色でも見え方が変わってくるんですよね。

笑顔を描く理由

ー轟さんの描く車には、必ずドライバーが乗っています。しかし、今回の展示では1枚だけ運転手のいない作品がありました。

轟) ドライバー不在の作品は例外的に作ってみました。お客様から「ドライバーがいない絵も見てみたい」といったリクエストをいただき、挑戦してみたものなんです。

ードライバーは全員笑顔ですね。

轟) 絵は日常生活の中で何気なく目にするものです。その為、見た人が楽しい気分になる作品を作りたいと思っています。また、個展のタイトルを毎回『HAPPY DRIVE!』にしているのもこれが理由ですね。

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▲西武渋谷店『HAPPY DRIVE!』の会場

ー笑顔の人を描くようになったきっかけを教えてください。

轟) 阪神淡路大震災での被災経験が影響しています。復興途中に電車から見た瓦礫の山が、私が当時好きだった彫刻家のインスタレーション作品と酷似していました。

その時、作品と現実がリンクして具合が悪くなってしまいました。アートの持つ力の強さも感じると同時にこれからは「見る人をハッピーにさせる作品だけを作ろう」と決めたんです。

ー車に乗っている人物の性別もファッションも一人ひとり違い、個性豊かですね。
轟) 車に乗っている人々は「運転手」と限定せず、「その空間にいる人」というイメージで描いています。男女ペアでも、カップルなのか夫婦なのか、私の中では全ての人物にストーリーがあるんです。

車種に合わせて人を描く場合もあれば、先に人物を思い浮かべて車を描き始めることもあります。

クラウドファンディングに求めたもの

ークラウドファンディングを始めたきっかけを教えてください。

轟) 知人に紹介されたんです。また、その中でも特にオススメされたCAMPFIREを選びました。

ー挑戦してみての感想はいかがですか?
轟) Web上で支援して頂くことは、個展で作品を評価して頂くときとはまた違った感覚で、とても新鮮でした。

新しいことへのチャレンジは楽しかったですね。また、顔を合わせて商品の解説をすることができない分、文字での表現を工夫しました。ご支援いただいた時に「伝わった!」と感じられ、その感覚が嬉しかったです。

ー新たなファンとの出会いはありましたか?

轟) 私は最初、アートの世界だけで作品を発表していました。しかし、ある時、クルマを愛している方にももっと作品を見ていただきたいと思い動き出した所、新しい出会いが生まれました。

クラウドファンディングに挑戦した理由の1つは、同様にして新たな世界が広がるともっと楽しいと思ったからです。そして、まだ出会えていない方に作品を見てもらうきっかけを作りたいと思いました。私がクラウドファンディングに求めたものは、資金よりも「きっかけ」でした。

14年ぶりのART EXPOへ

ークラウドファンディングを無事にサクセスし、ART EXPOへ。こちらの出展は2001年以来14年ぶりだとお聞きしました。

轟) 前回は「アメリカ同時多発テロ」の発生した年でしたので、とても緊迫した空気の中での出展でした。それから14年、社会構造がガラリと変わったことをART EXPOで実感しました。

例えば、出展者・来場者もより多国籍になっていました。世界の勢いと変化を肌で感じられた貴重な経験でした。

ーART EXPOに出展してみていかがでしたか?

轟) 私の作品を見てくださった多くの方からオファーを頂いています。アメリカを代表するウィンドウディスプレイデザイナーからのコラボレーションの提案や、シンガポールへの出展依頼、西海岸進出のオファーなど、非常に収穫が多かったですね。

ークラウドファンディングのパトロンの皆様もそれを聞いたら喜ばれそうです。

轟) パトロンの皆さまへは感謝の気持ちでいっぱいです。クラウドファンディングでは多くの方が応援してくださいました。私の次のステップが来年のART EXPOなのかそれ以外なのかはまだ分かりませんが、これからも挑戦し続けていきたいです。引き続き見守っていただけますと幸いです。

ー今後の展示のご予定を教えてください。

轟) 全国の大丸、松坂屋、西武・そごうを巡回します。今回の西武渋谷店での『HAPPY DRIVE!』にも、CAMPFIREでご支援いただいた方が来てくださいました。

パトロンの皆さまと、全国各地の会場でお会いすることができたら嬉しいですね。
また、私の作品はデジタルでは分かりにくい表現をしていますので、ぜひ実物を見てもらいたいです。

ー轟さんの夢を教えてください。

轟) 冒頭でもお話しましたが、100年残る作品を描くことです。その為には、作品自体に力がなくてはいけないと思います。3世代に渡って愛されるものを作れるよう、これからも挑戦し続けたいと思います。

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▲ART EXPOでも展示した2作品「フェラーリ250(紺×赤)」「フェラーリ250(青)」と共に

鮮やかな色づかいとでポジティブなメッセージで、見る人をハッピーにする轟さんの作品。世界から引っ張りだこな轟さんの今後から、目が離せません!

【轟友宏 個展】

・東京
開催日:2015年7月6日(月)~7月12日(日)
会場:南砂町ショッピングセンターSUNAMO 1F 吹抜け広場
フィアットとアルファロメオの車両展示と同時開催。10〜15点ほどを予定。
※作家来場は12日のみ。時間は要問合せ。
詳細はこちら

・大阪
開催日:2015年9月9日(水)~9月15日(火)
会場:大丸 心斎橋店

・兵庫
開催日:2015年9月30日(水)~10月6日(火)
会場:大丸 神戸店

・京都
開催日:2015年10月14日(水)~10月20日(火)
会場:大丸 京都店

・静岡
開催日:2015年10月28日(水)~11月3日(火)
会場:松坂屋 静岡店

・札幌
開催日:2015年11月11日(水)~11月17日(火)
会場:大丸 札幌店

最新情報は、「轟友宏 オフィシャルサイト」およびFacebookファンページにて随時更新中